入院2日目の朝です。
前夜は、病院からいつ電話が来るかと、スマホを握りしめながら就寝しましたが、着信なく朝を迎えることかできました。
ギランバレーは、ピークを迎えれば、あとは回復に向かいます。いつかくるその日を待ち侘びながら、スマホに病院から着信がないことを祈る日々が続くことになります。
※ピークは、一般的に2〜4週で迎えるとされています。
さて、ありがたいことにコロナ禍にも関わらず、事前予約をしていれば一回3人15分まで面会させてもらえます。
たしか、この日は娘と行ったように思います
主人は、口がずっと開いており、話しづらいとは言っていました。今思うと、顔面の神経も麻痺しており、口を閉じていることができなかったのだと思います。
口を開けっ放しのせいもあり、喉がだいぶ乾いてるので水分をとても欲しがりました。幸い、ストローを使えば飲むことができたので、私がいる間はたくさん飲んでいました。
なお、痛風持ちなので、水分摂取(1日2リットル)と排尿回数は昔からとても気にしておりましたので、入院してからしばらくは面会に行くたびに排尿できているか質問されました。(尿カテーテルをつけていることで排尿している感覚がないことと、体が動かないため尿バックを自分で確認できないためです。)
そして、とても可哀想だったのが、もとから首痛と腰痛に悩まされていた主人が、完全寝たきりになったことでますます苦しむことになったことです。寝返りもどきができるようになるまでの10日間以上、面会に行くたび苦悶の表情で痛い、苦しいと訴えておりました。私にできることは、面会の時間だけでも、首周りをマッサージすることだけでした。
市販の湿布薬を貼っていいのかわからず先生に相談すると、処方してくださるとのことで、気休めではありますが、一安心しました。
ピークを迎える日までの間、私が面会のたびに気にしていたのは息苦しくなっていないか?でした。主人は、ギランバレーのグレードの中では、入院時にすでにグレード4だったと思われ、症状の進行が止まらなければ次はグレード5の人工呼吸器になります。
予後が良いとされるギランバレーですか、グレード5(人工呼吸器、気管支切開)になると長期化する、と検索しまくった知識の中でわかりつつありました。
もちろん、人口呼吸器になっても回復されている体験談はたくさん目にはしていましたが、願わくばグレード4で踏みとどまってほしい‥と思っておりました。
そのため、本人には「息苦しくない?苦しかったらちゃんと看護師さんを呼んでね?処置してもらえるからね?」と話すと、「呼吸のしづらさなどはない」と聞き、内心ほっとしてました。
この頃の主人は、動かない体の中で、手は少し動かすことはできたのですが、本人の意志通りには動かすことはできませんでした。とても、不自由で違和感のあるぎこちないかんじで、右手を上下に動かしておりました。例えるならば、ロボットのような?かんじでしょうか。
これがいわゆる、フィシャー症候群の三徴のひとつ、運動失調のようです。
義父が脳疾患でしたが、同じ動き方をするなぁと感じたように思います。(後日面会にきた息子も同じ感想を持ったようです。)
それでも、私としては、辛うじて動く手を動かしてくれるのは、たとえ動きがおかしくてもとても嬉しかったので、「すごいねー、うごくねー、よかったねー」と声をかけたように思います。