先週土曜日。午前中…



どっぷり熟睡中だった私をヤツの歌声が叩き起こす。



♪一年生~になったぁらぁ~、一年生になったぁらぁ~、友だち百人でっきるかなぁ~、ワォッ♪



この春、小学校へ入学した従姉妹の愛娘・ヒナタだ。



私「ワォッはおかしいやろ?そんなノリの曲ちゃうし。」



ヒナタ「ワォッ、ワォッ!起きて下さ~い、ワォッ!お祝い貰いに来ました~、イェ~イ!」



私「すぐ行くからリビングで待ってて。」



ヒナタ「だめぇ、だってまた寝るもん。なぁなぁ、このまえオジサンTVに出てたで。」



私「・・・オジサン?」



ヒナタ「え~っと…え~っと…あ、シカオさん!!」



私「シカオさんって(笑)まぁ名前覚えただけマシやけど。歌ってた?」



ヒナタ「うん!こうやって、こうやってな」



歯を食いしばり人差し指を立てて腰をくねらせるヒナタ…



私「似てへーん(笑)」



ヒナタ「イッコだぁけ~イッコだぁけ~♪」



私「歌詞もメロディーもちゃうって(笑)“一個”じゃなくて“一歩”!」



ウケたのが嬉しいらしく何度も繰り返しウソ歌をうたう生粋の関西っ子。



私「で、誰が歌ってたんやったっけ?」



ヒナタ「ん?…シカオくん」



友達かっっ!?




余震が止まらない…



こんな状況の中、度々暴言を吐くバカ上司が言った。



上司「なんか怖いね~、そのうち関西にも来るんじゃない?オレも今のうちに好きな事やっとこ~っと。」



“オレも”って…“も”って言うな!そんな事思ってんのテメーだけだって!



今のうち好きな事やるんじゃなくて、今出来る事をやれよ!



上司「嫌なこと全部忘れてワイハー辺りでのんびりしたいね~。」



ワイハーって…(失笑)
頭おかしいんか?



お前のその無駄に太い首からぶら下がってるモノは何や?
迷子札か??



教えてやるよ!それはれっきとした社員証やっ!!



返せ!今すぐ返せ!!



さっさと返却してワイハーでもどこでも行きやがれっ!!
さぁ、お行きなさい。もう帰ってくんな!



いい加減気づけよ。
みんなの怒りと軽蔑を超越した情けの目線に…



『南の島のダメダコリャ大王』

♪♪ダメダメダ~、ダメダメダ~、ダメダメダメダコリャ~







サドルの無い自転車に座ってしまい、肛門様を負傷した幼なじみユウゾウ。



スーパーの駐輪場でサドルを盗まれたらしい。不運な男だ。



看護師のタマちゃんにタオルで作ってもらった即席ドーナツ座布団に座ってる姿は周りから見たらただの“座高が高い奴”



ユウゾウの様子(心傷)が気になってみんな集まったのに肛門様(外傷)の心配までさせるなって!



とりあえず、たこやきを焼きながらみんなで『上を向いて歩こう』を見ることにした。



肛門様の痛みと、久しぶりに皆に会えた嬉しさと、ばぁちゃんを亡くした悲しみと、母ちゃんとの思い出が一気にユウゾウを襲い、終始号泣。



エレカシの『悲しみの果て』を聴いては「オレもそう思うぅぅ」と泣き、



視聴者からのメッセージを聞いては「辛いなぁ。」と言って泣く。



泣き顔がブサイクすぎて、私の口からたこやきがこぼれる。



そしてシカオ兄さん登場で爆発。「ばぁちゃん今年は泉と一緒に“シカオ王子”見に行く言うてたのにぃぃ、あと一歩だけって言うてんのにぃ、いっ、いっ、うわぁ~ん(泣)」



ばぁちゃんは『はじまりの日』が好きだった。「声色変えて早口で歌うところが好き」と…ラップもシカオ兄さんだと勘違いしたまま天国に召された。



「ばぁちゃんに生シカオ見せてやりたかった」ポツリ。



母ちゃんの時も同じようなこと言ってた。「コンチェルト(客船)に乗りたいって言うてたのに乗せてやれんかった。」と…ある日突然、地震によって奪われた命。



16年たっても悲しみは風化しない。



何年かかってもいい。



ちゃんとキモチの整理がつくまで私たちは愛すべきアホ・ユウゾウの歩幅に合わせて一緒に歩く。



あと一歩だけ前に進もう。



この世の者とは思えないほどブッサイクな泣き顔が笑顔に変わりますように。