秘密の目【SHO→1】 | EGU-SPLOSIONオフィシャルブログPowered by Ameba

秘密の目【SHO→1】


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だんだん暖かくなってきた。
春が今支度しているんだろうな
花粉だけは勘弁してもらいたい。
鼻と目に悪い春というのは何とも複雑な気分になる。

ところで、皆さんは目がいい?目が悪い?

"見る目がある"とかの利き目じゃなくて視力はいい方?悪い方?


自分は両親共に2.5以上の視力をもつ 恵まれた視力サラブレッドとして産まれたんだけど
どうやらその両親の力+αで目がよすぎるらしい。
自分ではあまり自覚がなかったんだけど、遠くはたぶん東京タワーのてっぺんに居ても 下を走っているトラックの荷物を数えられるくらい余裕だと思う。

さらに近くは 顔面の真ん前に新聞を広げられても隅から隅まで読めるしインクの点も見える。

いわゆるスペシャルアイを持って産まれてしまったみたい。
このスペシャルアイのすごさに気づいたのは高校を卒業してから。
ある友人を通してある日いきなり言われた
『しょういちの目の力は国家レベルで認められていいくらいだ。 今から紹介するから研究者に会いに行かないか』

『は?』
何を言っているんだこいつはと思った。
女子のミニスカートにウハウハして、、視力をそんな事にしか使っていないまだ思春期の俺をつかまえて国家レベルとは、こいつも何か映画か本の見すぎだなと思った。

とりあえず友人とご飯を食べてから混乱したまま 『絶対大丈夫だから』と言われながら高級住宅街の中にある事務所に連れていかれた。

『きみが北村くん?』
そこに居たのはたぶんイギリスかフランスかその辺の血が混ざっている 中年にしてはイケているが、明らか科学に人生を捧げてきたであろう人相をしている白衣のおじ様がいた。

『この前話した奴がこいつです』
友人は自分のスペシャルなアイの話しを イギリスフランス白衣(名前聞かなかった)に説明していたようだ。


『早速だけど北村くん。高校を卒業して進学はしないそうだね。 どうかな ○○○の特殊捜査員(言いたいが言ったら消される)として働く気はないかな?
もうすぐしたら○○○部隊の人間と、研究医も含めて10人くらい来るから 精密テストを受けてもらいたいんだ。
北村くんの目は色んな国の為に必要なんだよ。簡単に言うとエージェントのスカウトみたいなものかな』

はい?
このイギリスフランス白衣は何を言っているんだ
自分がエージェント? サングラスをかけてスーツを着て、ハイメカニックなアイテムを駆使して誰かと戦うのか?

『こいつダンスやってるんで身体能力はそこそこありますよ』

友人がいらん情報をアピールしだした。
いくらダンスやってようが 壁は登れないし、メカはビデオデッキのGコード予約がやっと、はりきって地球にやってきた宇宙人とかと格闘する気もない。

『あの、、 俺帰っていいですか』
もう 自分はこの高級住宅街の一角で繰り広げられているパラレルワールド加減に限界を感じてしまった。

『わかったこうしよう。 君の目がどれくらいすごいのか全世界のエージェントのデータを元にグラフにして出すから 研究者が来る前に簡単な診察だけさせてほしい。 ここに座ってくれないかい』

そう言われると眼科でよく見るような 顔を載せるマシンに座らされた。
簡単な診察ならと思って座ったが どう見てもSF映画並のセッティングがされている。

『ここに顎を載せて、少し眩しいかもしれないけど一瞬だから大丈夫』

そう言われて ピカっと何かが光った。

と思ったら一瞬で自分の意識がとんでしまった。。。



気がついたのは自分の部屋。
いつ帰ってきたのか あの後何をしたかは全く覚えていない。
夢?
目が少しぼやける
でもマシンに顎をのせた時に固定された跡は残っている。
『夢じゃないのかよ、、』
とりあえずさっきまで一緒にいた友人に電話してみる。

『もしもし? さっきあのエージェントとか何とか言ってた白衣のおじさんのとこ行ったよな? あのあと何があった? 俺なんで部屋にいんの?』

『え? 昇一だよね?何わけわからない事言ってんの。今日俺お前に会ってないけど。それに白衣のおじさんて誰? 大丈夫かお前』

でました このパターン。よく映画や本で見るパターン。
まさか自分がこっちの立場になって体験するとは思ってなかった。
記憶が操作され、人体実験でもされたかのような不快感。

『最近ダンス練ばっかして寝てないだろ 疲れてんじゃないの?わけわかんない事言ってないでちゃんと休めよー』
友人はそう言うと簡単に電話を切った。


友人とは確実に一緒にいた。むしろ友人に連れて行かれたんだから
それともあの友人が別人だったって言いたいのか?
映画の見すぎか、、


ちょっと待てよ
何かおかしい。。
さっきは目覚めたばっかりで 目がぼやけていたのはわかる。
もう目も慣れてきていいはず。
なのに 何分たっても、何時間たっても目がぼやけている。
『これ、ぼやけているんじゃない、、』
視力が著しく低下している。。しかも尋常じゃないくらいに。
普段見えていたベッドの時計が読めない
テレビの文字は何も見えない
遠くが見えるはずもなく 近くに落ちている雑誌のタイトルさえも見えない。

やられた、、 スペシャルアイとられた、、、

もう何の疑いもなく自分の中でその結論にいきついた。
あの友人がはめたのか、白衣のおっさんがはめたのか正直その経緯は何でもいい。


俺の視力が盗まれた、、、

今まで見えていた世界が全然違く見える。
あまりに生活に支障をきたすため、試しに後日地元の眼科に行き視力検査をする事にした。

結果は、、



[0.03]

『眼鏡かコンタクトが必要ですね おつくりする事をオススメします』

そりゃそうだ
以前はパンティが綿かシルクかどうか200メートル先でもわかったのに
今ではパンティすら見えない。

この絶望感をどう説明していいかわからないが、もうあの視力は戻らないんだという現実を受け止めるのに必死だった。


それから数年たった今も 自宅や運転する時は眼鏡をかけている。
それでも前を走るトラックの荷物を数える事すら難しくてできないけど。。。







っていう 自分が視力悪くなったキッカケを今考えてたんだけど、
嘘ってバレるかなぁ、、、
(゜Д・)??