そんな普通の家庭的な日々もあったでも 

ある日から突然変わる事もあるという事も知った

中学生2年生の間は母が広島へ行くのではなく

時々父が帰ってきたけれど 

知らないおじさんも家に来て 大きな顔でのさばっている

大人の事情を知らない私でも知らないおじさんの行動は

人道に反するものと解る

父も何かを感じとっていたと今では 聞くことも出来ないけれど

たぶん 人間の感で感じていたと思う

父・母・知らないおじさんの不思議な行動はもう 呆れる程で

子供の私には どうすることも出来ない


学校 周2日は家庭教師の先生と勉強夜は祖父の事をみて日曜日には 大掃除とお布団干しが私の1週間のルーティンとなっていた

何かふつふつと怒りのような気持ちが出てくると犬を連れて加茂川沿いを散歩して犬に話しかけていた

このワンちゃんは本当に賢くて心の優しい子だった

時には いたずらして私を笑わせてくれたり

うさぎさんと犬と3人で庭で遊んだりしていた

そのうち 叔母から チワワの赤ちゃんを引き取る事となった

経緯は解らないけれど

ある日突然 チワワを迎えに行くと言われ迎えに行った

家にいる犬も叔母からだった

私が 小さな頃から色んな動物を連れて帰って母が困っていた事も知っていたのでかもしれない

迎えに行った時は手のひらから 少しはみ出すくらいに小さかった

これは 本当に犬?と思いながら小さな毛玉を連れて帰って少し大きな楕円形の籠にタオルをひいて部屋を作ってあげた


犬というより 毛玉かたぬきみたいにコロコロだった

そんなこんなでうさぎに犬2匹 鳥というお世話する事が結構忙しいし

子犬には あれこれ教える事が多かった気を紛らわしてくれる子達が沢山来てくれて 私の心は 保たれていた


本当に感謝しかない子達

毛玉のもふもふの子犬も沢山笑わせてくれる

籠から出たくてあれやこれやと小さな頭をぐるぐるさせながらどうしたら出れるのかと考えている

こうして出るんだよと教えるとこの子も賢く 数回で覚えた


何かモヤモヤしたり突然悲しくなったりしても

頼もしい仲間が私にはいてくれた

相変わらず 昼も夜も知らないおじさんと母は一緒にいる

1度は殺気を持ったけれど

どうにか 鳥や犬になだめられる


母にとってはもしかしたら 人を好きになったのがこの知らないおじさんだったかもしれない


母の若い頃

仕事で残業して遅くなったら祖父が駅まで迎えに来ていたり雨だと運転手さんが会社まで送ってくれる


祖父は 丁度 高度成長期の時に頑張って働きある程度の地位にまでなっていたので

会社から 運転手付の車があった

門限もあり 送り迎えにも祖父や車

そんな生活では楽しい恋愛など 出来なかっただろう

それでも 何度かは男性 女性の多数で遊びに行ったりはしたらしけれど

隙がなければ 恋すら出来ない

だからきっと好きになって夢中になっていたのだろう周りすら見えないくらいに

結婚する前には恋愛経験も必要だなと

私の恋愛や結婚感がどんどん 歪んたひねくれた考えになったのはこの時かも

父も何を考えているのか素直過ぎるのか母に大きな信頼を持っていたのか解らないけれど

土日に帰ってくると3人連れ立って 酔っぱらって帰ってくる

朝には 3人が 寝ているどうにも奇妙で父母の部屋には近づく事も嫌だった


学校では安心出来た見たくないものはない

その頃バスケットボールをしている男の子が好きになった

放課後 友人とグラウンドの隅っこに座りその男の子がクラブをしている姿をみながら何でもない話をするのがなんとなく 甘酸っぱい気持ちになった

告白なども周りでは あちこちに恋の話が飛び交っていたけれど

ただ 彼を見ているだけで満たされたそんな淡い 優しい気持ち

春の少し暖かい風と日差し 夏の 蒸し暑いけれど その暑さを冷やしてくれる涼しい風 秋の日差しの暖かさと 少しひんやりとする心地良い風

冬には とっても寒いのに何故か ドキドキして胸は暖かかった

そんな時が流れていく学校では私の気持ちを大切に出来た

休み時間の友達との 何気ないやり取りお昼のお弁当での おかずの交換

本当に そのまま何もない私の時間を存分に感じていた


家では変な雰囲気が流れて出来るだけ部屋から出たくなく

犬達と遊ぶか出窓から 外を眺めていた

時々 祖父母の用事を手伝ったりけれど

どんどんエスカレートするその空気間が

子供の私でさえ感じるくらいに本当なら逃げ出したかった

真面目に家出を考える事も

今持っているお金これからいるお金犬達や鳥達を連れて行ってら?そんな事も考えた

家庭教師のお姉さんも出来るだけ 楽しいお話や勉強も楽しく出来るようにしてくれていた本当に有難かった

どんどんと 沼へとはまっていくどうにも出来なくなる悲しかった 悔しかった

私が もっと大きかったら知らないおじさんを殴って道理を 教えてやりたいくらいにその顔をみるのも存在も何もかも嫌だった