喜寿になった。ダブルラッキーセブン!その数字を眺めながら、一つの魂の変遷を思うと、よくここまで消えずに来られたものだと、しみじみ思った。
縁あって栃木の和菓子屋の娘となり愛情深く育てられた。お饅頭に詰める餡を大きな鍋で煮込んでいた時に、禿げた頭に餡が飛んで「熱っ」と言いながら手で振り落としていた父と、老舗の和菓子屋でいつも忙しそうに動き回っていた母。小さな魂を大切に育んでくれた両親には感謝しかない。
さて、上京した魂は、いつも何かを求めて彷徨っていたように思う。現状に満足しないという渇望感が常にあった。理想と現実のギャップ、「これは、本当の自分じゃない」という思い、そういう貪欲さが自己肯定感の低さにつながるのかもしれないが、一歩前に踏み出す原動力でもあった。
社会人として仕事を定年まで勤め、女性としては結婚して子育てを経験し、それなりの人生は歩んできたと言えるだろう。けれど、個としての魂はまだまだ彷徨い続けている。
そんなことを考えた喜寿。記念に新しいことを7つ探そうとした。富士登山は予約が取れず断念。世界一周をまとめたエッセイ本の出版は現在最終段階。座りっぱなしの「執筆活動」で浮き輪がついた腰回りを改善したいとチョコザップに登録すること、そして何か音楽に関わることをしたいとヤマハ教室を覗いてみた。家にある息子のバイオリンで、でレッスンを始めるか、ゴスペルをやるか…。ふと、何かおもしろいことをしたいと、スタジオに変身写真を撮りに行った。なりそこないのオードリー・へッポコバーンの出来上がり。遺影には向かないだろうな。
そうそう、孫息子がお金をためてコインケースをプレゼントしてくれた。耳元で「プレゼント予測してた?内緒で値段を言うとね、12,800円だったんだ。僕のお小遣い全部使っちゃった。」そういえば、随分前に、グランマの好きな色は何?と聞かれていたことを思い出した。勿論、彼には、こんなステキなプレゼントもらえるなんて想像していなかった。しかも大好きなグリーンだし、と伝えた。
そんな77歳。「人生、山あり谷あり」。無事に傘寿に行きついた時、この魂はまだ火の塊なのか、沈む夕日のように穏やかになっているのか、わからない。
Well, let’s see how it goes.




