今は亡き貴方へ | 死別と闘病と… まぼちはほふく前進

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大切な人を亡くした悲しみから立ち直るために、ほふく前進だけどゆっくりゆっくり前に進もうとしている私の今と未来の気持ちを綴ります



大好きだった貴方へ

この写真、覚えていますか?

貴方と一緒に撮った桜です。

春になるとよく桜を見に行きましたね。

車の中でお弁当を食べて


「これは俺、好きだけど、涙を飲んでお前のためにあげるよ~」

なんて、自分の嫌いなもの、私に押しつけて肩をすくめてましたね。

その表情は、まるで子供のようでした。

わたしは怒る気にもなれず、二人で笑いあいましたよね。

できればもう一度、貴方とお弁当を食べたかった。




今貴方はどうしていますか?

上の方から私を見下ろして

「そんなに泣くなよ」

なんて困った顔してますか?

それとも、もう次に生まれ変わる準備を始めていますか?

私の家を、終のすみかだと、お前といるときが一番落ち着くと言ってくれた言葉を信じていてもいいですか?

私がこの世での修行を終えて、そちらに行くまで待っててはくれないですよね。



貴方がこの世とお別れをしたと知ったとき

私は生きる気力も笑う気持ちも失くしてしまいました。

私にかけてくれた、最後の言葉が

「気をつけて帰りなよ。またね、バイバイ」

でしたね。

体の痛みを堪えながら、精一杯の笑顔で手を振ってくれました。

その時の貴方の顔と声は

一生忘れません。




本当に、貴方と一緒に過ごした年月は、私にはかけがえのないものでした。

前向きになるにはまだまだ時間が必要かもしれません。

だから生きていくのが辛いと感じてしまう。


時々、貴方の元へ行ってしまいたくなる私を、夢の中でもいいから叱ってほしい。


私は主人と貴方、二人に愛されて幸せなんですよね。

主人が亡くなった淋しさを埋めてくれた貴方

たった一度、大きな喧嘩をしましたね。


売り言葉に買い言葉で

付き合いをやめるかと言った貴方に

「私の事を都合のいい女としか思ってないならやめてもいい」

と私が反論したとき

「そう思いたくないからこれだけ怒ってるんだ‼️」

と、本気で私に向かってきました。


あの時、ほんとは嬉しかった。

もう一度喧嘩もしたいよ。

会いたいよ。

私がこの人生を全うしたときには

「偉かったね。よく頑張ったね」

って誉めてくれますか?

たぶん、貴方よりおばあちゃんになってからだと思うけど…。





貴方に会えてよかったと

きっと思えるから

もう少しだけ泣かせてください。