◆信号待ちで(2013年?44歳?)
◆帰省先の駅にて(1991年?22歳?)
学生の頃。人影まばらな待合室にて両親の迎えの車を待っていると、向かい側のベンチに浴衣姿の男性(20代後半位)がふらりと座った。
そう、ここはちょっとした温泉街。このような姿は珍しくない。
…とは言え、こんなに席が空いているのに、どうして近くに座るんだ。
とかなんとかいぶかし気に思っていたら、なにやらそわそわし出す男性。
少々身構える私。
すると間もなく男性は口を開いた。
「すみません、今何時ですか?」
私は、男性の背後にある掛け時計を確認して淡々と返した。
しかし男性は、その回答にさして反応することも無く、堰を切ったように意気揚々と現状説明をスタート。
身も心もホッカホカで己を解放したそうな男性と、早くこの場を去りたい私との温度差がどんどん広がっていったのだった。
お話はまだまだ続きそうだったが、タイミングよく両親到着。
私は畳みかけるようにご挨拶をして、素早く立ち去ったのだった…。
◆卒業旅行先のイギリス。現地観光ツアーにて(1993年23歳)
英語が苦手な友と二人、現地バスツアーに参加した。
参加者は25名ほど。おそらく8割方が英語圏の方。ガイドさんは早口英語…。
我々は肝心な集合時間もあやふやなまま、とある地域をフリータイム散策するため、何となくバスを降りたのである。
降車後、出発前にワチャワチャ固まるツアー客。そんな中、イギリス人らしきご婦人お二方が、何故かピンポイントで私の元へ。気軽に集合時間を訪ねて来られた。
『あやふやだけど答えていいのだろうか……』私は当然困惑したのである。
で、結局分からない的な反応を示したところ、お二方から明らかなる呆れモーションをいただいたのだった…(遠い目)。
まあ、ごもっともではあるが、もっとはっきり答えて くれそうな人、他に沢山いたでしょうよ…(涙)
◆旅行先の駅前バスロータリーの待合にて(2016年47歳)
駅前の一画にあった、屋外の合同バス待合所。
ベンチが数個並んでいて、私はバス停にやや近い所に腰かけていた。
他には、地元民らしき4名の方々。立ちながら座りながらとフリーダムに散在しておられた。
とそこへ、ふらふらとおじいさんがバス停にご到着。
…かと思ったら、おもむろに私に接近。
「白内障でよく見えないので、次の▲▲行きの時間を見て欲しいんだけど」
とおっしゃった。
『えっ…バス停近くに立っている方もいるんだけどなぁ……』
私は少々不可解に思いつつ、『白内障なら仕方ない。でも私に▲▲が分かるだろうか……』と立ち上がり、全く知らぬ地名の時刻表を探して確認したのだった……。
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とにかく人に話しかけられる<時間を聞かれる編>|イナダマボ (note.com)
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