職業上、私にとって演奏会は”飯を食う手段”である。
身もふたもない言い方だが、事実である。
だから、毎日あっても(あった方が)困らない。
実際は練習や、準備、普通の生活もあるのでそう云う訳でもない。

「趣味を職業に出来るなんて羨ましいですね。」
「ユメを売る仕事ですね。」
「旅行が出来て羨ましいですね。」

よく言われるのだが,そんなに甘くはないのです。
どんな職業でも同じで、苦労はつきものだと思うけれども
正直な気持ちも聞いて頂きたい。

趣味を職業にしてしまったばかりに、他に趣味を探さなくては行けなかったり
=もっとお金のかかる趣味になってしまったり(貧乏加速)
食道楽が高じて料理などは人の味付けではどうしても
我慢できなくなってしまったり(メタボ決定)
 
ユメにも様々な種類があって、売り物になるかどうか心配で
ユメの中(就寝中)でも「練習しなくちゃ、練習しなくちゃ」と
あせりまくっていたり
=家人「パパ、寝ている時の寝言と練習中の悪態おんなじなんですけど・・」
 同じく「後、指がぴくぴく動いてるよねぇ」
(指使いの練習もしているらしい)
あまり知られたくない葛藤を、家人に見抜かれていたり(信頼減少)

旅程が長くなれば長くなる程、心身ともにやつれて行ったり
折角、風光明媚な土地に行っても覚えているのは演奏会場の中だったり
=たまる洗濯物、皺クチャになって行くワイシャツなど
気が重い事もあるのです。(家が一番)

まぁ、云っているほど酷いこともなく素晴らしい音楽を
演奏できる事もあるのですが・・・
やっぱりこの仕事が好きですかねぇ

明日から、今シーズンのリハーサル(演奏会の練習)も始まります。

1発目、KAPカンマーアカデミーポツダム/ブランデンブルグ州の
夏コンサートシリーズ

8月22日(土)17:00 聖十字教会 
パウル・マイヤー指揮/バルバ・スクリデ(ヴァイオリン)
シューベルト:交響曲5番、ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 他
最寄り駅:ケェーニッヒス・ヴスターハウゼン

興味のある方,(指練習の成果を見に)是非いらしてください。

こんな私ですが,一生懸命努めさせて頂きます。
よろしくお願いいたします。

トランペット奏者
具志 優