楽屋の前

たくさんの人達がいる

NAOTOさん達は
楽屋で
EXILEの人達と
話していた

なんで楽屋にいないの?

壁にもたれて
下を向いていた

頭の上から
聞こえた声

顔をあげると
彼が羽織っていた
ビッグタオルの中に
フワッと包み込まれた

一人で待たせてごめん…

彼の胸あたりから
聞こえる声

その声は優しく
ひろくんの声

涙が溢れてきた

どうしたの?
☆…?

ごめん…なさ…

そんなに寂しかった?
隆二達といればよかったのに

楽屋から
隆二さん達の笑い声が
聞こえてくる

☆…

ギュッと抱きしめてくれる
ひろくん

涙が止まらない
離れなきゃ
きっと周りの人は
ひろくんを見ている

今日
打ち上げ来てよ
一緒に帰ろ

登坂?
何やってんだ?
んっ?☆ちゃん?

いいじゃん
もう終わったし

腕が緩んだ
ひろくんから
1歩下がり
首にしていた
マフラータオルで拭った

すみませんでした
私がわがまま言ってしまって
ありがとう
ひろくん…
☆…

楽屋行かないと
打ち上げ間に合わないぞ
そうですね
☆おいで

☆ちゃんは
ここにいるから
中にカメラいるし
ほら急げ

アーティストの臣くんは
楽屋に入った

わかってるから
登坂が抱きしめて来たのくらい
いえ…
楽屋にいれなかったよね
ごめんね
気づかなくて

私の事はいいので…
すみません
ごめん…ちょっと電話
もしもし…

ステージを見るまでは
ひろくんと
東京にいるのも
悪くないな
そう思っていた

ステージを見た
その姿は
アーティストの登坂広臣

ごめんね ひろくん…
ありがとう

ひろくんの楽屋に
頭を下げた

マフラータオルと
関係者パスを残して…


楽屋にいたカメラが
出ていこうとした
その時
トイレに行くと
楽屋を出た隆二が

臣!
あっ…お疲れ様でした

カメラが出ていき
隆二が俺の腕を掴んだ

☆ちゃんは?
そこにいるよ
いないから

そこに座って…
あれ?
トイレでしょ

いや…違う
臣さん
これ…

岩ちゃんが
手にしていた物は
マフラータオルと関係者パス

嘘だろ?
携帯は…
電源切ってるし

急いで外に出て
まわりを見た

俺に気づいたファンが
寄ってくる

どこだよ…