ここにいて
アンコール終わる頃
臣の所に行こう

会わずに帰るなんて
ダメだよ
お互いきっと後悔するから

一緒に行こう

隆二が☆ちゃんの腕を
掴んだまま
いつになく必死に話す

そうそう
隆二さんの言う通り
俺らも一緒に行くから
臣さん抱きしめてあげて

皆さん…

泣かないの
あぁ抱きしめてあげたい…


NAOTOさん
臣さんに怒られますよね

岩ちゃん
そうなんだよね

あっ…隆二!

隆二が☆ちゃんを
抱きしめた

わかってたよ
このまま
臣の前から
居なくなろうとしたでしょ
今日は
会わないとね
ゆっくり臣と話したらいい

隆二…

NAOTOさん
臣と約束してたんです
ライブが終わったら
☆ちゃん必ず
楽屋に連れて来てって

そうだって
☆ちゃん

ごめんなさい
迷惑かけてしまって

いいのいいの
ほら
アンコール始まるよ

隆二さん
すみません

隆二さんは
にっこり笑うと
私から離れ
頭をなでながら

臣の隣で笑ってて

言葉が出なかった

ライブを見た後
臣くんとして
会う事を考えていなかった

いくら
離れても
ひろくんに会ってしまう
彼は
アーティスト
あの日
ひろくんに会わなければ
臣くんの存在を
知る事はなかった

アンコールで歌う
臣くんは
楽しそうに歌い
投げキッスをたくさんして
ステージを降りた

楽屋に行きますよ

マネージャーさんの後ろを
NAOTOさんと岩田さんが
その後ろに
私と並び隆二さんが行く

楽屋前には
たくさんの人

NAOTOさん達に
気づいた人が
談笑していた彼を呼ぶ

真っ先に
隆二さんとハグをして
安堵の笑みを浮かべた彼

それから
NAOTOさん
岩田さんとハグをした

撮影ここまでね
お疲れ様でした

NAOTOさんが
カメラを遠ざけた

マネージャーさんと
立っていた私と目が合った

きれいな顔が
微笑みながら
していたマフラータオルを
外し
私にかけてきた

そのまま
フワッと抱きしめてきた

ただいま☆…

その声は
ひろくんの声

抱きしめてよ

抱きしめられた私は
手を彼に回せずにいた

よかった
帰っちゃうんじゃないかって
ドキドキしてた

彼の胸あたりから
聞こえてくる声

そっと彼の腰に
腕をまわした

おかえり 

☆…
もう少し仕事してくる
ここで待ってて

登坂
ミーグリだって

わかってますよ
NAOTOさん
☆をお願いします

了解
楽屋で待ってよう
ねぇ☆ちゃん

微笑んだ彼は
登坂広臣になっていた

彼は
ビッグタオルをまとい
マネージャーさんと
行ってしまった

臣が戻るまで
一緒にいるから

隆二さんが
私の肩に手を置き
とびっきりの笑顔で
微笑んでいた