ねぇひろくん
やっぱり目立つよ
気にしすぎだって

ひろくんは
歩くだけで目立つ
背は高く
いい匂い
ジーンズに白シャツ
ジャケット
サングラスはしなくても
キャップとマスク

それだけで
登坂広臣

ひろくん
人力車乗りたい
俺もそう思ってた

人力車に乗ると
目立たない

その後は
夕方まで観光した

いい時間だね
うん
写真撮ろう

いいよ

1組の夫婦に
携帯を渡し
写真を撮ってもらう

マスクしてないと…
今くらいいいじゃん

素のひろくん
それでもオーラは消えない

ありがとうございました

お二人も撮りましょうか?

その夫婦は
嬉しそうに腕を組み
笑顔の写真が撮れた

お互いお礼を言い
携帯の写真を見た

肩に手を回してたのね
いい写真撮れた
送るね

ひろくん
かわいい
かわいいのは
☆だよ

あの夫婦のように
ずっと一緒に
いられたら…
あっ…ごめん

いられるよ
俺はいたい…

それから
2人とも無言になり
タクシーに乗り
京都タワーに向かった

夜の京都を見渡せる
最上階まで行く

誰もいない

貸切だね
そうだね

今はこの景色も
☆も
俺の物

隣に並んだひろくんが
キスをしてきた

ずっと一緒にいられるように
頑張るよ
それは…できない

急がなくていい
俺がここに来るから
LINEも電話もする

ひろくん…

抱きしめられた
ひろくんの腕の中は
震えていた

どうしようもなく
好きなんだ

ひろくんが泣いている

☆は
俺が嫌い?
会いに来たら迷惑?

涙声でひろくんが話す

ごめんね…

ひろくんが離れた

ソロデビューして
ソロ活動始まるんだ
1年後
ソロツアーして…
ソロデビューするのね
隆二もする

休みになったら
ここに来るから
………

その日の夜
ひろくんは泊まらず
東京に戻った


ひろくんの活躍は
健二郎さんの
パパさんから聞く事になる
パパさんに悪気はない

それからひろくんに
会ったのは
半年後

それまで
毎日LINEがきていた
電話もあった

私は何も変わらず
ここにいた

いらっしゃいませ
あっ…
久しぶり ☆
ちょっと時間できたから…
レコーディング
早く終わった
お疲れ様

もう閉めようと思ってた
ご飯行こう
ここで食べない?
いいの?
店だけ閉めるね

ごめん…
会いに来るとか
言いながら
半年も来られなくて
気にしてないから
ビール飲む?

いや…
ご飯食べたら
帰る
東京に?
明日は大事な会議あるから
そう…

半年…

半年会えなかったのよ
普通の恋人同士なら
彼の胸に飛び込んで
会いたかった…
そう言いながらきっと
俺も会いたかった…
そこで
キスでもするのだろう

彼はゆっくりと
カウンターのイスに座り
携帯を触る

今の私には
登坂広臣しか
見えていない

ひろくん…

心の中で
呼んでいた