♢が一人で
出口にいた

一緒に帰る?

振り向いた彼女は
少し驚いた顔をした

何言ってるの?
マネージャーさんと
帰るんでしょ?

俺なら構わないよ
♢ちゃん

ご迷惑かけてしまいます

♢…雨だよ
知ってる…
傘ないでしょ?
…ない

車まわしてくる

他のメンバーは?
もう帰ってるよ
……
傘くらい持ってってよ
車にあるから
いらない

だったら送るよ
珍しくしつこいよね

一緒に帰りたいから

その笑顔…
変わらないね

一緒に帰ろ

そっと♢の手を繋いだ

それはダメだよ
離れたら濡れちゃうよ
雨強くなってきたし

隆二…
彼女いないの?
いない
私は結婚したのよ
だから?
もう…

元には戻れない…

わかってるよ
でも俺は
ずっと♢の事
好きだよ

冗談はやめてよ
冗談で言えないから

ずっと後悔してるんだ
あの時♢を
離さなかったらよかった
だから
この手は離したくない

車が入口に着き
隆二が先に乗った

お疲れ様でした
今市さん

彼女がドアを閉めようとする

乗れよ

咄嗟にドアを抑えた

マネージャーさん
お疲れ様でした

彼女の後ろから
数名のスタッフ達が
見えた

マネージャーが車を出した

隆二…
スタッフと帰りが同じに
なったな
まだ出てくるはずだ
そこで♢ちゃんが
お前と帰る訳には行かないから

♢は傘持ってない

♢の手は冷たかった

俺だけが空回りしてるのか?
♢はもう
人妻なんだな

そう思っていても
俺の中の♢は
大きな存在になっていた

次の日の密着
♢はおはようと言ったきり
話さない

雑誌の撮影をしていた

♢ちゃん
顔色悪いな
臣もそう思った?

♢の声が聞こえない

♢ちゃんどうしたの?
今日話さないね
ELLY…
雑誌の撮影だから
あんまり尺がいらないから

♢ちゃん
今日は俺の映画撮影
来てくれるの?
今日は行けない
大事なシーンでしょ?
許可がでなかったのよ
いつか来てくれる?
そうね

大丈夫?♢ちゃん
顔が辛そうだよ
大丈夫
健ちゃん相変わらず
よくみてるよね
無理したらアカンで
はい
健二郎さんの肩
貸したろか?
健ちゃんありがとう
ちょっと元気でた
いつでも右肩空いてます
左肩は?
彼女の

健二郎と楽しそうに話す♢

昨日どうやって帰ったの?
駅まで歩いて
電車で帰った
傘は?
コンビニで買った
隆二?
そんなに怒って聞かなくても…
怒ってないよ 健ちゃん

健ちゃん呼ばれてるよ
あぁ…

隆二…ごめんね
それはいいけど…

♢ちゃん…
この後さぁ…

♢ちゃん?!
♢!

臣に呼ばれて
振り向いた♢が
ふらーっと倒れた

咄嗟に俺は
抱きとめた
臣もとんできて
2人で抱きとめた

♢!♢!
うっすら♢の目が開く
隆二…
♢ちゃん!
熱いな
臣がおでこを触り
すごい熱
俺はおでこを当てた
♢の熱い息が
口元に当たる