あの日から半年

気持ちの整理は
まだできていない

それなのに
月日だけは経っていく

仕事も表面上
こなしていた
頭の中を
何かでいっぱいに
していないと
立っていられない

☆ちゃん
ランチ行こう
うん
今日はパスタがいいなぁー
そうだね

同僚の♪ちゃんは
毎日のように
私をランチに誘ってくれる
仕事が終わってからも
ご飯を一緒に
食べてくれる

今日の夜さぁ
彼が迎えに来るんだ
ご飯一緒でいいかな?
ありがとう
気にしなくていいから
彼と二人でご飯行きなよ
でも…
いつもありがとう
大丈夫だから
ねっ!

その日は
そのままうちに
帰る事にした

帰り道
目の前からくる
自転車に気づかなかった
そのまま自転車に
当たり
はねられてしまった

きゃっ!
危ねぇなぁー
避けろや!

まわりには
人気もなく
立ち上がろうとした
痛っ!
もうヤダ…

大丈夫ですか?
酷いですね
携帯しながら自転車乗って
横断歩道から
見てました
あの…
大丈夫ですから…
立てますし…
痛っ!
全然大丈夫じゃないから
ほら掴まって

その人は手を差し伸べてきた
笑顔が可愛い

手を出し
立たせてもらうが
足首が痛い

痛っ…
ありがとうございました
その足でどこ行くの?
帰ります
うち近いの?
駅まで行きます
無理でしょ?
ほら
背中乗って
いいです
歩けないって
うちの店すぐだから

その人は背中を向け
待っている
しっかり私のヒールを
持っていた

すみません…
いい子だ

その人は
いい匂いがした
手には
ビニール袋
それにヒールを持つ
痩せてるのに
しっかりした背中

店ここだから

路地を入ったすぐの店

マスター
遅くなりました

私を下ろしながら
マスターを呼ぶ
そこ座ってて

遅かったね
何かあったんじゃないかって…

いらっしゃいませ
マスターすみません
お客様じゃなくて

一通り説明をしたその人

酷い目にあいましたね
湿布持ってきますよ
マスター
自分が持ってきます

まだ開店まで時間あるから
ゆっくりしてて
ありがとうございます
コーヒーとお酒
どっちがいい?
いえ…大丈夫です

コーヒー飲みたいんだけど
一緒に飲んでくれない?