記憶

昔の日記を久しぶりに開いてみた

1日1日の記事から
微かに記憶が甦ってくる。
心地良くもあり、切なくもなる。



久しぶりに見る名前があった。

涙が出た。

忘れてた自分を呪った
絶対忘れちゃいけない人
あの日心に刻み込んだ人

もう鮮明に思い出すことは出来ない
記憶ってこんなに簡単に薄れていってしまうものなんだと
改めて思った。

あの時はちゃんと言葉に出来なかった気持ち
今なら少しはいえるような気がする。






定子さん。

あなたは今どこにいますか？
あなたが逝ってしまってから
もう3年が経とうとしています
あなたと顔を合わせる毎週月曜日のたった1時間
それだけでもあたしの記憶に残るには充分
あなたは魅力的な人でした
いつもクラスの雰囲気を和ませてくれて
それでも一生懸命勉強していて
時にはあたし達の近況に耳を傾けて
話し相手になってくれた

ごめんなさい
あたしはまだ話していません
ゆきちゃんに　定子さんが亡くなったことを
未だにいえずにいます
ゆきちゃんとも3年近く会っていません
どうしても口頭で伝えたくて
未だにあたしだけが定子さんの事実を知っています
あなたが来なくなってずっと
先生からは旦那さんが入院し看病する為と伝えられていたこと
先生にそう言うように頼んだのは
それはあなたの優しさと思っていいんですか
入院していたのが　本当は旦那さんでなくあなただったのなら
あたしたちは無念でたまらない

しょうこ先生があの日あたしだけに教えてくれた事実
受け止め、受け入れるのは辛すぎたけれど
それでも少し誇りに思っています。
それだけあたしと定子さんは仲良く見えたってことだから。

定子さん
あなたは今何していますか
逢えるものなら　もう一度
あなたと話がしたいです
あなたの笑顔が見たいです

たった50歳足らずで逝ってしまった
あたしの大切な友人。
あなたもそう思ってくれていましたか。