燕は戻ってこない


ドラマ『燕は戻ってこない』

ついに残すところあと一回

 

 

 

 

重いテーマ

でも世の中にある現実の一端

なんとなくふわふわ恐々見守っていた展開は

“妊娠”という具体的な事実に一気に深さを増していく

それぞれの登場人物の揺れる感情

簡単に割り切れない生命の重み

誰にも共感できないけれど

その感情の一部は自分にもあるかもしれない


生殖医療というギリギリの世界

希望の光と闇と

人の奥底にある欲や身勝手さや社会の在り方を映し出す


8話あたりから加速した各人の気持ちの動きに一気に引き込まれる

ビジネスという点ではリキは契約違反であるけれどそもそもがお金による子宮の搾取とりりこは言う

悠子はリキに寄り添うようでいて、感情のままに中絶をやめさせたのにその後は基に投げて逃げているようにみえる

基母は血の繋がる孫が欲しいという一点でお金を出し、その真の姿に目を背けて結果だけを追う


そして基は悠子を愛しているもののどうしても遺伝子へのこだわりを捨てきれずに代理母の選択をした人間だ

しかし自分の子ではないかもしれないという事実に拒否をしたものの赤ちゃんの映像に心動かされて誰の子であっても育てると申し出る

この時は、さすが元トップバレエダンサー!繊細で豊かな感情を持ってると思ったけれどまた第九話ではあれ?と思うところも


そしてあと一回

それぞれが出す結論は?

原作は読んでいるけれどドラマはどんな終わりを迎えるのか

燕、の向かう先は



毎回基演じる吾郎さんに釘づけ

元トップバレエダンサーという美しさはもちろん

繊細で細かな表情の数々

もともと大きな動作で表したりする人ではないけれど歳を重ねるとともに抑えながらの豊かな心の動きが本当に素晴らしい

公開中の『あんのこと』でも近すぎず他人過ぎず絶妙な距離と表情で独特の立ち位置を表現されている

ずっと見てきているファンでも息を呑むほどに


ドラマも映画も評判は上々

今後の俳優活動にも大きなプラスになりそうで

ますます期待してしまう


来週最終回、味わいます