待ちに待ったドラマ

【風よあらしよ】 村山由佳原作

ついに第一回目放送











結婚式からの始まり

あっという間に引き込まれる


吉高由里子さん演じる伊藤野枝が素朴な力強さに満ちている

熱い炎

そんな彼女を見出して導く辻潤

女学校の教室で教壇に立つ吾郎さん演じる姿の素敵なこと

これはみんな夢中になってしまうのでは、なんて余計なことも

醸し出す雰囲気が知性に満ちている

野枝の才能に惹かれ

故郷から逃げ出した野枝を家に置く

野枝は高みへ連れて行ってくれる人としてそばにいることを望む


青鞜、平塚らいてうとの出会い

 元始、女性は実に太陽であった

抱きしめるその一文

野枝は自分の目指す道を見つけてどんどん進む

ともに暮らすうちに

少しずつ二人の間に生ずるズレ

野枝を見る醒めた瞳


職につくこともなく尺八を吹き

放浪に出たいなどという

こんな場面を見ると、夫としてどうなのと思ってしまうけれど

ダメな人間という概念はないのかも


平塚らいてうとの対峙

既成の秩序や概念の否定、破壊を根底にしたダダイスムのもと

辻潤には彼なりの主義がありそれをただ貫く


これまでの常識からの脱却

その点において、野枝と辻は同じ方を向いていると思われる

それを行動にして広く大きく世間を動かそうとする野枝

己の中に深く取り入れて自分の生きる糧とするかのような辻

そんなふうに感じた


静かにとどまる辻とは真逆の大杉栄という人物が野枝の前に現れるのは必然だったのだろうか

第二話ではこの二人の響き合いが観られるのだろう



今回吾郎さんが演じるというのでどんな人なのだろうと思った辻潤の生涯はなかなか衝撃的

ドラマでは晩年まではいかないだろうけど

教師の姿、そして大正時代というちょっと独特な香りのする時代の雰囲気がとてもお似合い

知性があるゆえに様々なことがわかりすぎて熱くなれないような

主義と現実の狭間にあってなんとか貫こうとする意思も

台詞そのものより多く語る瞳と後ろ姿

佇まいから感じとれるものがなんて多いんだろう


そのあたりに詳しい方から見てどうなのかなと気になるばかり

放送はあと二回

あの分厚い本が原作だから本当は連続ドラマでも良いくらい

楽しみ


それにしても4Ꮶテレビで見る吾郎さんが麗しい