あんのこと


6月7日公開


 

 


 

 



一つの新聞記事から始まり、監督が、俳優が、スタッフが覚悟をもって臨んだ作品


事実と作品としてのフィクション

そのバランスの絶妙さ

目を背けたくなる過酷な環境にいる少女をただ可哀想にするのではなく

手を差し伸べる誰かを必要とする人がそばにいるのかもしれない

救う道はないんだろうか

重く大切な問いを投げかけられる


観た後、一人一人があんを想う

そしてまわりを見まわす

社会の仕組みからこぼれ落ちた誰かを探すように


派手で楽しめる作品ではないけれど

コロナ禍が少し遠のいたかのような

今、必要なものなのかもしれない


⁂⁂

内容について

“ネタバレになるかも”


丸の内TOEI舞台挨拶は監督、河合優実さん、佐藤二郎さん、稲垣吾郎さん




上映後と前と、取材が入ってる回と入ってない回とそれぞれ楽しめるトーク

ベテラン2人の間に堂々と立つ河合さん、落ち着いていて凄い

佐藤さんと吾郎さんはわちゃわちゃ楽しい会話で和ませる

とにかく覚悟と熱意をもって作りあげた作品なので多くの方に届いてほしいと



立川での入江悠監督舞台挨拶Q&A

気になっていたいくつかについて監督の考えを知ることができた


“杏のことを母親が「ママ」と呼ぶのは?”

これは実際のケースにそう呼んでいる人がいた

河合さん、母親役の河井さん、監督の3人で親子の関係性について話し合った時に、「杏は家族を守りたいんだとおもう」という言葉で思い出して取り入れた


“あんという名前は平仮名の最初と最後、神社の狛犬阿吽を意識されたのかなと穿った見方をしたとの質問者さん”

それはその通りと監督から

それともう一つは「杏っこ」の映画の影響もあるとのこと


“あんが初めてのお給料で購入したのは日記帳とプレゼントのヨガマット”


“街を歩いて空を見上げるシーン”

最初の脚本にはなかった

撮影監督が画を欲しいということで撮ったもの


あん、多々羅、桐野3人の視点からの撮影も行っていて『羅生門』のようだったけれど

やはり杏を中心にした物語ということで組み立てなおした


監督ファンの方や映画好きな方からの質問、司会は森直人さんということで良い雰囲気

終わった後にはサイン会

少しお話もできました


監督、何度も実際のモデルの方を作品にすることで違ってしまうのではという恐れを言葉にされていて

そんな方だからこそ静かな誠実な思いが訴えかけてくるのだろうと


上映館は少ないけれどかなり反応もあるようなのでこれから増えていって欲しい


出演者も全員素晴らしいの一言



あんのことを思って

思って