父の誕生日の翌朝、出勤の為、
車に乗り込もうと
片足を入れた瞬間、電話が鳴った。
この時間にくる電話って、と思いながら
発信先を見ると、父が入所している
施設の電話番号。
電話先の職員さんが慌てている話し方。
もしかしたら、倒れたかな、
朝、寒かったし‥
などと、一瞬の間にあれこれ考える。
「お父様が急逝されました。」
え、昨日会ったばかりで
お祝いのご飯を喜んで食べていたのに。
なんで?
職員さんより
亡くなった時の様子を聞く。
主治医に連絡するよう言われた。
状況と診断名を聞いた。
いつかは
こんな日が来るかもしれないとは
思っていたけれど
別れは突然にきた。
施設の関係者が
「後、三日で出ていかないといけないから
片付けておかないと」
と、父が数日前に言っていたと。
認知症もあり、どう思っていたのか
何か知らせがあったのか
今となってはわからないが。
母や、義父母との別れは
病気療養中で
母も義母も
ある程度、覚悟して
看取りもできたが。
父は、腰が曲がりながらも
杖なしで歩いていた。
入院もしたことがなく
前日、元気な姿で
普段の話をしていただけに
混乱した。