案件受注に対する初期反応 | M&Aアドバイザーの日記

M&Aアドバイザーの日記

なかなか外部から知ることができないM&Aアドバイザーの仕事をリアルにお伝えします

とある老舗企業から相談を受けました。


当該企業は多くの事業部門を抱えており、事業部門ごとに収益性や資産効率が大きく異なります。

当然のこと、企業価値を棄損している事業や逆に価値を創出している事業もあります。


今回受けた相談というのは、ひとつの事業部門の将来の方向性について外部の視点でアドバイスして欲しいという内容でした。


そして先日、秘密保持契約書を取り交わし、当該事業部門の資料の開示を受けました。ところが…

「開けてびっくり玉手箱」ではないのですが、相当に傷んだ事業部門(=ようするに大赤字)でした。リーマンショック以降の経済環境の悪化はあるにせよ、収益の悪化がかなりひどいです。また本業とは関係のないノンコア事業です。

だからこそ、当該事業部門に対する危機意識が強く、我々に相談をしてくれたのでしょう。それ自体は大変ありがたいことです。


さて、皆様がアドバイザーならば、ここでどのようなアドバイスをしますか?

1)譲り受けてくれる会社を「気合い」で探してきます!と主張し、とりあえず当該事業部門のM&Aに関するマン 

 デートをもらう。

2)譲り受けてくれる会社はあるわけない!とあきれ果てて、早々にこれ以上のアドバイスをお断りする。

この2つの選択肢は分かりやすいでしょう。他には、どのような対応が考えられるものでしょうか?例えば、

3)まずは責任を持って社内でリストラクチャリングを行い、コスト構造を変えましょう。そこまでやってくれれば譲

 り受け企業も出てくる可能性が高まります。そこまでやってくれるのであれば我々も責任持って候補企業を探し

 ます。 

またこんな意見もありました。

4)こんな事業を抱えていることが大きな疑問。「当該事業部門」の将来のあるべき方向性の検討は一度中断し、「全社」のあるべき戦略や方向性についての議論や検討を早急に行うべきだ!とアドバイスすべき。


忘れてはならない視点としては、クライアントとの関係は一度切りのつきあいではないということです。何度も相談をしてもらえる関係を構築することが非常に重要なのです。一回切りの関係は、ある意味「焼畑農業」です。焼畑農業ではいつか収益獲得の限界に直面してしまいます。レピュテーションの悪化も避けられません。


皆様ならどのようなアドバイスをしますか?

我々の行ったアドバイス内容やその結果については、後日、ご報告させて頂きます。