第1話 墜ちたジュリエット

テリュース=グレアム堂々交際宣言。撮られた女性を恋人と認める。突然スザナ=マーロウの目にこのニュースが飛び込んできた。「えっ?学生時代からの友達ってことにするって話になってたのに…」以前スザナはテリィに告白したが「決して君の事は嫌いではないんだが、俺はずっと昔からあいつのことを…。なにがおこってもこの気持ちは変わらないから…スザナすまない。」とフラれてしまった。2人でいるところをパパラッチに密告して撮らせて引き裂こうとしたがかえって裏目にでてしまったのだ


この交際宣言で団長及びスタッフは対応にバタバタ。キャンディ側もなんとか名前と素性は出ないようにジョルジュが対応した。アメリカ中の女性が悲鳴をあげ会社や学校を早退する“テリュースロス”などと言われた現象が起きた。


劇団は、テリィ主演のロミオとジュリエットの舞台の観客が減ってしまうのではないかとヒヤヒヤしていた。しかし宣言してからのテリィはより一層演技に拍車がかかり平日にもかかわらず連日満席で立ち見もできるほどになって千秋楽を待たずロングランが決定した。


スザナはフラれたショックと交際宣言されたショックが重なりかなり精神的に参っていた。それが演技に影響してセリフはとちり途中で泣き出すなどして降板させられてしまい代役のカレン=クライスと交代させられてしまった。カレンもテリィに好意を寄せていたが交際宣言で気持ちを切り換えせっかくのヒロインを獲得したチャンスをものにして素晴らしい演技をするテリィに便乗して見事ジュリエットを演じて大好評を得る。
スザナは居場所が無くなり自暴自棄になっていた。悔しい、私が先に出会っていればテリィは私と…。もう嫌!ここから抜け出したい、辞めたい。そうだ、旅に出よう。スザナは荷物をまとめて出ていった。母親に置き手紙を残して。
“ごめんなさい、ママ旅に出ます。おろかなむすめをどうか許して…ママの幸せを祈ります
スザナ”
     続く