フルートのタンポ交換 | maaatの日常

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死を迎えるまで懸命に生きるのみ。今の時代の日本に生まれたこと自体がすでにとても恵まれているのですよ。

年末にヤフオクでヤマハ製のフルートYFL-31を落札しました。

銀メッキの変色も見られる中古現状品で、1万円。。

頭部管が銀製で、主管、足部管、キーが洋銀製ですね。

現行のYFL-311の前身にあたり、30年ほど前のかな~り古い楽器で、当時13万したようです。


届いた物は、主管と足部管にごく小さな凹み1ヶ所づつと、主管にポツポツとしたメッキの浮きは多少あるものの、銀製の頭部管は傷も少なく良い状態。

タンポはくすんだ色に変色し汚れがあって劣化してますが、破れは無く演奏可能状態でした。


磨ける部分だけ、シルバークロスやシルバーポリッシュでピカピカにして、しばらく使ってきましたが、本格的にリフレッシュすることにしました。


とは言え、プロに依頼すると3~5万ぐらい掛かる様子。

ここは今後のメンテナンスの練習を兼ねて自分でやることに。。


作業は、キーメカニズムの分解、管体および各パーツの磨き、全タンポ交換、不良軟物交換、タンポあたり調整、組立、全体バランス調整になります。

すべて初体験ですが、ネットのブログ記事などを参考に見よう見真似でチャレンジです。。


タンポ1式はamazonで700円程で入手しました。

たぶん中国製。

良いものは3~5000円が相場のよう。

300円程のもありましたが、色ムラもあり品質悪そうなので止めました。


メンテナンスに使う道具は身近にあるものを用意しました。




タンポのシワ伸ばしに使うアイロン用のヘラは0.3mmのアルミ板をハサミで切って作りました。

接着に使うセラックが入手できなかったので、100均のグルーガンで代用です。

ピンバイスの代わりは縫い針。

バーナー代わりは100円ライターww


全部一気に分解するとパーツが多くて訳分からなくなるので少しづつ進めます。


まずは、足部管。。




外した古いタンポの裏側の厚紙にはYAMAHAの文字が入ってましたので、一度もタンポ交換はしてないんじゃないかと思います。

タンポ皿には調整用の赤茶色に見えるスペーサーが入ってました。

見たサイトの中にはこれをそのまま利用してるのもありましたが、購入したタンポでは高さが高くなりすぎなため剥ぎ取りました。

これ、ピンク色の硬いゲル状樹脂を薄い油紙で挟んだ構造ですね。

千枚通しで外周をこじると剥がれてきましたが、油紙からはみ出てタンポ皿に付いたた樹脂を除去するのがちょっと厄介でした。



足部管の作業で大体要領が分かりました。

続いて主管。。




足部管側とトリルキーを仕上げた後、頭部管側を分解します。

全体を3パートに分けて作業したことになりますね。。


ほとんどのタンポがネジ止めですが、トリルキーと一番上のドのキーのタンポの3つは接着になります。

グルーガンでタンポ皿とタンポを仮接着した後、主管に組み付けます。

その後、タンポ皿をライターで炙って接着剤を再度溶かしてトーンホールに密着するよう調整します。

火を近づけすぎると新品タンポが焦げちゃうので、ここが一番緊張しました。。


取り外した古いタンポとオリジナルの調整パーツです。




タンポの調整紙は、厚みの異なる紙をいくつか用意し、手作業でドーナツ状にします。




軟物の圧縮フェルトやコルクも専用のものが入手できなかったので、入手できたものから切り出しました。




完成です。。










ここまで到達するのに、仕事から帰ってから寝るまでの時間を3晩費やしました。。。

馴れて無くてやり直しを何度もしましたので時間が掛かったのもありますが、全タンポ交換をプロに依頼するのに3~5万掛かるのも納得です。


ちゃんと音出てますよww

交換前より、高音がすんなり出るようになりました。


これでちょっと自信が付きましたし、楽器のメンテナンス費用の心配がなくなりました。