『吾輩は猫である』を拝読。
長さはもとより、使用している漢字や言葉が難しすぎたけれど、面白い小説でした。
猫の視点から、人間の日常を書いている作品。
夏目漱石さんの小説は、どれも面白い。
『吾輩は猫である』の文中に出てきた言葉の中で、一番好きな一文を紹介させていただきます。
「呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする。」
この一文が、私の心の琴線に触れました。
人間の本質を、しっかりと見抜いている猫に脱帽です。
夏目漱石さんの言葉は、身に沁みます。
親や兄弟、妻や夫、彼氏や彼女、友人など、自分と周りを比べて
「呑気でいいねぇ~」と思ったこと、一度は経験があるのではないでしょうか?
逆に、「あなたは呑気で羨ましい」なんて言われたことがある人もいらっしゃるかもしれません。
私も、よく言われるほうです(笑)
でも、誰もが悩みや不安、迷いなど何かしら抱えているのではないでしょうか。
過去のトラウマや傷ついたこと、コンプレックス、挫折、後悔、、、
長年生きていると、相手の顔を見たらその人がどんな人間か何となく分かるようになります。
目は口程に物を言うという言葉がある通り、生き様が顔、特に目に表れている。
そして自分が感じたことは、だいたい当たっているものです。
しかし、人は見た目だけでは分からないこともあります。
どんなに楽しそうな人も、幸せそうな人も、何も考えてなさそうな人も、いつも冗談ばかり言う人も、
人知れず悲しみを抱いている。
「呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする。」
この言葉が私の心に響いたのは、私自身がそうだからでしょう。
でも、だからと言って悲しむ必要はない。
人は皆、何かを抱えながら生きています。
悲しくても、つらくても、逃げ出したくなっても、諦めたくなっても、惨めでも、何もかも嫌になっても、
この世に生を授かった奇跡を、喜びを、幸せを噛み締めながら、毎日を一生懸命に生きましょう。
自分の心が感じたことを、大事にしてくださいね。