痛みに関する治療の現状 ⑫ 

 「MRIでは腰痛が見えない」

〇 研究内容

五つの異なる職種(自動車工場・救急隊員・事務職・病院清掃業・ビール工場)の149名を対象

に、一年間にわたって腰部をMRIで繰り返し撮影し、画像所見と腰痛との関連を調査した。

〇 結果

椎間板異常と腰痛との関連性はなく、調査期間中に13名が腰痛を発症したものの、MRI所見に

変化はなかった。

                      (Savage RA et al, Eur Spine J, 1997) 


上記の研究のように、1年間に亘って腰部をMRIで繰り返し撮影しても、腰痛は見えないので

す。

画像で痛み診断が出来ないのは、当然のことだといえます。診断が出来ないのですから、治療がう

まく進むわけがありません。

つまり、従来の「痛みの原因は骨ゃ関節の異常」という前提は、成り立っていないのです。