用意周到で臨んだつもりだった。321日の朝は前日からの雨がまだ降り続いていた。始発列車に乗るために30分前にはホームに着いた。それでも20人ほどが既に並んでいた。最終的には3040人になっていた。昨日出会った若者3人組はそこにはいなかった。発車10分ほど前になってアナウンスがあり、昨日の土砂崩れで長谷~粟屋間が不通になって現在復旧作業しており、運転再開は早くても630分頃だと知る。これから1時間も待つのか、降り続ける雨を見ながら暗澹たる気持ちになった。スマホで色々調べてみると昨日の時点で始発が遅れることは分かっていたようだった。若者たちは予めそれを分かっていて、計画を変更したのかもしれない。

6時半になる頃に、まだ復旧していないアナウンスがはいる。今度はスマホで情報を得ると「650分頃に運転再開」とあった。あと30分ほどならと思うが、3月の彼岸の頃とはいえ、早朝はかなり冷え込んでいる。脚が痺れてきている。

ようやく運転再開となるが、長谷駅からこちら(三次駅)にこれからやってくるのだと言う。25分ほどかかるそうだ。最初から2時間遅れるのが分かっていたら早朝の寒いホームで待つことは無かったのに、と恨み節の一つも出よう。

ほぼ2時間遅れで三次駅を出発した。運よく座る事が出来たが、立っている人も結構いた。行きの列車では江の川に背を向けていたせいもあり、また窓ガラスも曇ってこともあってあまり外の景色を眺める事はなかった。そうこうしている内、2時間半もホームで立っていた疲れも出て、いつの間にか眠ってしまっていた。

110分遅れの11時過ぎに江津へ到着した。江津駅で駅員に帰りもこれ位遅れるのか聞いたところ、下り(三次行き)はほぼ定刻どおりだと言う。尤も、通常で下りの発車が3時間後なのだから2時間遅れたとしてもまだ1時間の余裕がある。十分遅れは取り戻せる。余裕がなくなったのが江津での待ち時間だ。列車が遅れなければ3時間あったのが1時間しかなくなってしまった。有福温泉どころじゃない。

やげん商店に鯖鮨を予約していたので、先ずはそれを取りに行く。そして江津駅周辺で昼食をとる時間しかなかった。阿じ与志という洒落た和食の店があった。蕎麦、うどんもあるので割り子蕎麦でも食べようと思って行ったが、まだ蕎麦ができてないとの事。代わりにイクラ丼を頼んだがイクラもない。仕方なく親子丼を頼んだが、これが結構美味かった。