中学校に髪を金色に染めた子がいることを少々不快に思っていた。中学生にしてこれではこの先思いやられると。然しそれよりも、それを注意せず放置している中学校の対応はなんなんだ!と憤りさえも感じていた。


先日、校長と話しをする機会があったが、当然そのことが話題に上がった。どう申し開きするのか、注目していたがその説明は自分にとって意表を突いたものだった。まるで思ってもみなかった方から球が飛んできたかのようだった。校長曰く、「恰好がふさわしくない子供がいますが、それは我々も十分わかっています。ただ、頭ごなしに注意したり学校へ来させないようにするのは結局は子供を見放すことになります。今は、登校時間をずらして職員室で23時間来て話をしています。今は出来るだけほかの生徒とは触れ合わないようにしております。そしてできるだけ彼らの話を聞くようにしています。そうして彼らが納得してくれたら普通の教室に戻していきたいと思っています。ただ、これは学校だけでは限界もありますので、皆さんも彼らに会ったら声をかけてやってください。彼らにとって一番大事なのは受け入れてもらえることだと思っています。」聞いた瞬間は、何を言ってるんだ?この校長は、と思ったがよく考えてみるとなんと素晴らしいことかと思えるようになった。


今でこそ、自分はいっぱしの常識人を気取っているが、これまでの人生、振り返ってみればそう褒められたものでもない。若い頃は癇癪持ちで、自分が受け入れられないと反発し、どんな無茶苦茶でもやれそうだった。ただ一線を越えなかったのは、そんな自分をどこかで見守っていてくれる人がいたからだろう。同じ価値観で自分を否定されたら逃げ道はなくなってしまう。自分がダメだと思っている時に、周りのみんなからダメ出しをくらってしまうとそれこそ世の中全部が敵になってしまうだろう。


金髪の彼は今は世間に対して斜に構えている。今まではそんな奴らを見ると鼻から軽蔑していたが、これからは違った観点で見てみようと思う。微力ではあるが、会ったら普通に挨拶してみようと思う。