今年のマスターズはバッバ・ワトソン(米国)がウェストヘーゼン(南ア)をプレーオフ2H目で下して初優勝した。このプレーオフは見応えがあった。プレーオフ2H目は10番ホールで行われたが、ワトソンはティショットを大きく右に曲げて林の中。グリーン方向へは林が邪魔して打てない。残り150Y程、幸いクラブが振れライも良かった。絶体絶命?のピンチから放たれたショットは大きくフック(ワトソンはレフティだから右へ曲げるショット)を掛けて見事グリーンオン!スーパーショットだった。あの状況であのショットが打てるとは!普段からそう言うのを練習していて得意かも知れないが、勝負をかけたショットであったに違いない。

 白熱した熱い戦いに興奮した一方で、今回のマスターズではとても残念な事があった。タイガーウッズのマナーの悪さである。特に2日目はパターが思うように決まらずイライラが募っていた。ウッズの場合パターが決まらなくなると、ショットが悪くなっていく傾向がある。迎えた16Hのショートホール。ティショットを右にプッシュアウトして右のバンカーへ入れてしまう。このショット打った瞬間、ミスショットに激高したウッズは放り投げたクラブを何と蹴飛ばしたのだ。

 かつてウッズがマスターズで初優勝した時、ファジー・ゼラーが「坊やは良くやっているよ。でもフライドチキンとカラードグリーンは勘弁してくれよ!」と言って物議をかもした事がある。マスターズでは優勝者が晩さん会をする習わしがあって、前年度の優勝者がホストを務める事になる。翌年のホストであるウッズに対して、皮肉を込めた発言だったようだが、これは人種差別となって大問題になってしまった。フライドチキンはスラングで黒人などの貧困層の食べ物の象徴だったので、黒人やマイノリティへの差別用語として使われる。

 マスターズが行われるオーガスタナショナルGCのギャラリーはパトロンと呼ばれる。このパトロンが曲者である。自国の選手を応援するのはどこの国でも常だが、米国以外の選手にとってはアウェイ状態だそうだ。明らかに歓声が違う。タイガーは米国人だがマイノリティと呼ばれる人種。フィル・ミケルソンとは明らかに違っていた。こんな状況だからこそタイガーが最初に勝った時、マスターズの古い体勢に新風を送り込む希望の星として大いに期待したものだった。

 タイガーのマナーの悪さは2009年の全英オープンに於いても指摘されていた。ミスショットに苛立ち、クラブを投げつけるシーンを目にした。その時はかなり悪条件の中、良いショットを放っても報われないという悲劇に同情していた事もあって、気にはなったがそれもタイガー流なのかなと漠然と思っていた。ただその時の同伴競技者だった石川遼君は、あんなに感情をむき出しにされたら、さぞかしプレーしにくかったであろう。でも、タイガーも多くの優勝を経験し、分別ある年齢になってきたんだから(もう坊やではないんだから)、もう真摯な姿勢でゴルフをするべきであろう。多くのパトロンや世界中の人が見守る中で、こんなふるまい(クラブを蹴る)をするなんてあり得ないと思う。一番は同伴競技者に失礼だ。切れたゴルフファーと一緒に回りたい人などいない筈。自分一人でゴルフをしているような錯覚にでも陥っているのか?プレーヤーとしては超一流かもしれないが、もはやゴルファーとしてはリスペクト出来なくなってしまった。残念だが、今後タイガーを応援する事はないだろう。


http://youtu.be/sagfaCOHH6Q