強羅温泉は元々は、自然湧出は少ないため、蒸気温泉と呼ばれる人工温泉が作られてきた。箱根温泉供給株式会社は、火山の蒸気を貯水池に吹き付ける事で温泉を造成する会社である。ここが供給する人工の温泉が、ここ強羅館にも引き湯されている。私の師匠(勝手にそう呼ばせていただいている)である、温泉評論家の郡司氏がここの温泉は人工だが、良いものは良いと評していた。その評価どうり、温泉としてなんら遜色の無いものだった。硫黄臭がする、真に温泉らしい温泉だった。24時間入浴できるのもいい。
最初に入浴したのは18時ごろだった。先客のおじさんが、お湯が少しぬるいと言っていた。然し、どうしてどうして、適温ではないか!年寄りの人は、熱い風呂が好きな傾向にある。銭湯じゃあるまいし、熱いお湯には2分と浸かって入られない。温泉を楽しむにはどちらかと言うとぬる湯の方がありがたいのだ。ここは、自分にとってはやや熱めだったが、これくらいが一般受けするであろう。
大浴場と言っても、それ程の広さは無い。3~4人も入ればいっぱいである。幸いな事に、3回入浴したがいずれも一人で浴槽を独占できた。これはありがたかった。貸し切り露天風呂もあったようだが、ここが貸し切り状態だったのであえて行くこともなかったが、話の種に入っておくべきだったかもしれない。
泉質は酸性の硫黄泉。白濁した濁り湯。典型的な温泉だった。風呂上りに身体に硫黄臭がつくのが、なんともいえない快感であった。



