誰しもお気に入りのお店と言うものがあろう。特に、食事のお店と言うのは皆共通のテーマ?、興味のあるところだと思う。味覚は個人個人異なると言っても、大勢が美味しいと言っているところはそうはずれではない。中には、人気がなく他人は美味しくないと言っているのに自分だけはお気に入りと言うお店もあるかもしれないが。
貧乏学生であった自分にとっては、お金がなくて食事を制限される事がしばしばあった。食堂に入っても常に財布との相談でメニューを決めていたように思う。そのせいか分からないが、食事の値段と言うものは今になっても気になるところである。高くて美味いのは当たり前、安くて美味しいのは大満足、値段の割には美味しいと言うのが高評価である。美味しいものになら金に糸目をつけない人もいるだろうが、貧乏性の自分にとっては悲しいかな、分不相応の高級食等、後の会計が気になってとても味わえないのである。
「一作」は高島屋の裏辺りにある天婦羅屋である。初めて行ったのがもうかれこれ20年ぐらい前だったろうか。その頃は今の御主人の先代がまだ元気で、親子でされていた。お店も今のビルよりやや駅寄りの一軒家で、結構年季の入った木造の家屋であった。それが駅前の開発で区画整理というものだろうか、ビルが出来て今は其処の一階にテナントとして入っている。昔から行かせていただいているが、決して常連ではない、あちらの御主人も何と無くこっちを覚えているか忘れているかの按配である。この関係がまた心地良いのだ。変に常連になってしまうと新鮮さがなくなって、たまには顔を出さないと悪いかな?なんて変なプレッシャーがあったりする。行きたくないのに付き合いで行くなんて、有り難味が薄れるように思う。行きたい時だけいくというのがいい。天婦羅が食べたくなった時、岡山の駅前までわざわざ出かけていく、それだけの価値があるから行く。
天婦羅のコースは10品ほど順番に揚げてくれる。抹茶塩で天婦羅を食べるというのも、このお店ではじめて知った。足りなければ単品を追加。ビールがとても美味しい。最後は決まって天茶(天婦羅お茶漬け)で締める。ここの隠れた逸品は漬物である。商品としては少々野暮ったいかもしれないが、家庭的な味が絶妙なバランスを保っている。
