海猫 仲村トオル 伊東美咲 森田芳光 2004 | Delight Slight No One 4 U blog

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映画、音楽、雑記

2004年 東映、テレビ朝日、東映ビデオ、カルチュアピクチャーズ、北海道新聞社


原作

谷村志穂


監督

森田芳光


脚本

筒井ともみ

(ザスーパーガール、非情のライセンス1980、ザ・ハングマン、必殺シリーズ、それから、失楽園、阿修羅のごとく)


音楽

大島ミチル



撮影

石山稔

沖村志宏


照明

渡辺三雄

(大都会part2、遊戯シリーズ、蘇える金狼、探偵物語、汚れた英雄、野獣死すべし、キッチン、共犯者、僕達急行A列車で行こう)


録音

橋本文雄


美術

山崎秀満

(あぶない刑事リターンズ、まだまだあぶない刑事、さらばあぶない刑事、9係、相棒シリーズ)

柳澤 武

(アホーマンス、狙撃the Shootistシリーズ、共犯者、越境捜査2、探偵はバーにいる2、さらばあぶない刑事)


助監督

杉山泰一

(のようなもの、キッチン、未来の想い出、ハル、間宮兄弟、誰も守ってくれない、相棒シリーズ)


記録

森永恭子

(プロハンター、勝手にしやがれヘイブラザー、のようなもの、キッチン、さらばあぶない刑事、のようなもののようなもの)




伊東美咲


仲村トオル


ミムラ


蒼井優


白石加代子

深水元基

小島聖


伊藤克信




三田佳子




佐藤浩市







森田芳光さんは好きだが、前評判悪すぎたり、実際作品によってがっかりしたり、いろいろあって全部見られてない。


その一つを見た。


伊東美咲さんはひたすら綺麗だし、いや、綺麗にとっているし、この内容で、これくらいの露出にとどめたのは森田芳光さんの正しい選択だったと思う。代わりに他の女優さんがハードなベッドシーンを埋めてくれている。


森田芳光さんの大前提は、映像は美しく、美術はアーティスティックに、音楽は高い質感で。


が大前提だ。


官能ラブストーリーとなってるが、官能ではなく、


東映らしい暗い男女愛模様を描いた長めの人間ドラマ。という感じ。


森田芳光さんの映画ではあるが、吉永小百合さんの大作映画にあるような東映大作映画感を凄く感じた。(パッケージからはそれは予想できないが)


森田芳光さんの映画では、筒井ともみさん脚本の作品だと、本作品含めて4本だが、これは、『失楽園』、の延長ではなく、大傑作だった、『それから』と『阿修羅のごとく』の流れで官能ラブストーリーをとったというテイストの作品。


真面目な作品だと思う。


エロチックに求められる、ぎとぎと過ぎる役者の演出、セックス描写は可能な限り抑え、自分のセンスの作品に森田芳光さんがおとしこんだ、という風に見えた。


過去に『キッチン』という作品で函館を可愛らしく綺麗に映画にしたことがあったので、それもポイントだったかもしれない。


あと、佐藤浩市が準主役ではなく、


準主役は仲村トオルだったりする。


森田は過去に仲村トオル主演映画をとって、興行、内容も失敗してしまったことがあったので、彼とはリベンジ戦をやりたかったのが。実現したと話した本作品だが。


そのインタビューの意味がわかったし、仲村トオルもこの頃は良い役者になった時期だ。


本当に佐藤浩市が悪人にしかみえなく仲村トオルのほうが輝いているのが凄い。


セントラルアーツの撮影スタッフで撮られているので、トオルさんにとっては良い作品、代表作品になったのではないか。意外な発見だった。


仲村トオルに対する愛を森田芳光さんに感じた。


渡辺三雄さんの照明も着目だが、渡辺三雄さんは森田芳光作品では森田芳光作品に合わせた無難な仕事ぶりだ。


酷評されている、演出、ストーリーだが、演出は前述通り、酷評されるようなものはなかった。むしろ、与えられた原作、脚本の料理の仕方としては流石だった。


ストーリーは自分はフィクションとしてある程度は見れたが、


女性が嫌悪感を示す理由はわかる。


この作品の男たちは、皆自分勝手で虫酸が走る。


男の自分ですらそう思う。特に伊東美咲演じる主人公の弟はムカついてしょうがなかった。


いや、佐藤浩市も仲村トオルも、銀行で難癖着けてきた男たちも、みんな自分勝手。


伊東美咲さん演じる主人公の薫はただかわいそうとしかいえない。彼女は優しく穏やかで善良すぎて、男たちに反論できない。そのキャラクターが伊東美咲を綺麗にしているとも言えるが、少しかわいそうだと。


最後エピローグが長いのは東映大作映画の悪い所のはずだが、本編の胸くそ悪い問題を回収するエピローグとしてきちんと使った職人技は森田さん、筒井さんは流石だ。


『(ハル)』のあと、様々なジャンルに挑戦した森田芳光さんの1996年からの9年の総まとめの映画にはなった感じはする。


このあと『間宮兄弟』で、原点回帰するわけだから、この映画が、森田芳光さんの二週目のラストなのかなと思った。



『サウスバウンド』も全然良かったので、映画は自分で見ないとわからない。


森田芳光さんは流石だと改めてわかる一作だった。


けど暗い映画は嫌だから、きっと『間宮兄弟』から『A列車でいこう』までは明るくかわいらしい映画をとり続けたのかもしれない。








以下は渡辺三雄さんの仕事です。