1996年 パラマウント、クルーズ&ワグナープロダクション
製作
ポーラ・ワグナー
トム・クルーズ
監督
ブライアン・デ・パルマ
脚本
デビット・コープ
ロバート・タウン
音楽
ラロ・シフリン
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好きでなかった。美しきヒロインは裏切り者で、ラスト皮肉な結末を迎える。
ミッションインポッシブルシリーズは2でやることを1、3でやってしまった、稀有なシリーズと改めて感じた。
アクションではなく、サスペンス。謎解き。
心を抉る残虐な展開。
1は王道の爽快なハッピーエンドをやり、2は残虐な展開で1を越えようとする。
普通はそうだが、
ミッションインポッシブルシリーズは逆なのだ。1のみならず、3もそうだ。4以降はそれがなくなり、爽快なハッピーエンドアクション映画になっていく。しかも、3、4以降が、スパイ大作戦の正統な劇場映画になっている。つまり、チーム戦、頭脳戦、どんでん返し、を踏襲している。JJ エイブラムズ、クリストファーマッカーリーはスパイ大作戦をよく理解していると思う。
話はずれた。
しかし、この映画、ミッションインポッシブル1。監督のみならず、脚本もデビット・コープで、まんま、カリートの道のスタッフで作られている。
ミッションインポッシブルとしてスパイ大作戦として、良かったかは別問題として、
カリートの道で甘美になりすぎた、悪い意味で甘くなりすぎたハードボイルドにしてしまったのを、元に、ハードなサスペンスアクションとしてのハードボイルドに戻せたのは、ブライアン・デ・パルマ&デビット・コープコンビ二人としては良かったのではないかという気がする。
あとは、クルーズハントとビングレイムズの出会いの話としては最高のプロローグになったのではないか。
テレビのスパイ大作戦とは別物。イーサンハントシリーズの一作目、そして、ブライアン・デ・パルマの単体ハードボイルドとしては健闘していると思う。
ブライアン・デ・パルマは世界感が美しい。ヒロインの選定も絵作りも、デ・パルマとわかる。
それはそれとして、まさか、2が圧倒的にジョン・ウーによって世界的支持を得る作品になるとは、デ・パルマ越えではないが、この時代のジョン・ウーはとにかく凄かった。ストーリーテリングも美しさも、迫力も。群を抜いていた。MI2は私の子供時代の映画館の思い出の一つとなった。