今日は終戦記念日でした。


仕事でバタバタと慌ただしい一日でしたが、今夜は少しあの戦争について書いてみようと思います。




★画像はお借りしています。
ちなみに、日本で言う「終戦記念日」は玉音放送のあった日で、この日を戦争が終結した日としているのは、日本だけみたいですね。






まずは、個人的な話になりますが、少し昔のことを…。





小学生の頃、ドイツでインターナショナルスクールに5年間通った僕は、そこで日本人としてのアイデンティティに目覚めました。




インターナショナルスクールに通い始めた頃の僕は、知識として、日本がアメリカと戦争をして負けたことは知っていました。




そして、何となく、日本が悪いことをしてアメリカを始めとする世界の国々に成敗されたというようなイメージを持っていました。




クラスメートの多くがアメリカ人だったのですが、彼らは皆、自分の国の歴史に誇りを持っていて、自分の祖父母がなぜ日本と戦ったのかを彼らなりに理解していました。



彼らは、僕が自分の国の歴史に誇りを持っていないことや、あの戦争についての知識が少なすぎることに驚いていました。




『オイオイ、君のじいちゃんたちが戦った理由を知らないのか?君はどうしてそう自分の国のことを悪く言うんだい?』




といった感じです。




彼らは、自分たちの歴史に誇りを持つと同時に、決して日本だけが一方的に悪かったわけではなく、日本には日本なりの理由があって戦っていたこともきちんと認めていました。




思えば、日本で僕が住んでいた地域はとある政党の影響力が強く、あの戦争について日本政府の責任をしつこく追及する風潮が強かったように思います。



そして、これは憶測ですが、僕が小学生だった頃(かれこれ30年くらい前…)の日本の歴史教育には、戦後GHQが徹底した自虐史観の植え付けの影響が色濃く残っていたと考えられます。




そうして僕の中に無意識に刷り込まれていた、「太平洋戦争=日本が一方的に他国を侵略した戦争」というイメージは、インターナショナルスクールで学ぶ中で徐々に変化していったのです。




インターナショナルスクールでの歴史教育の特徴は、とにかく生徒たちに自分たちで調べさせることを徹底していました。



当然決まった教科書なんてありません。



当時普及し始めていたインターネットや、学校の図書館にある本、書店にある本、家にある本、あらゆる文献を調べさせるのです。



そして、それを他の生徒の前で発表させ、ディスカッションさせるのです。



日本のように、年号を丸暗記させる、ただの記憶訓練のような授業とは異なります。




そうすることで、偏りのない知識と自分なりの考えが築かれていくのです。






歴史について調べて考えることの面白さに気づかされた僕は、日本に帰ってきてからも歴史の自己学習にのめり込みました。




日本の高校での歴史の授業中は、先生が読み聞かせるページとは全然違うページを開いては、気になった箇所に印をつけて、時間があるときに本を読んで調べたりしていました。





今も、ご高齢な方と話すときに、お相手が進んで戦争体験を話して下さる方であれば、身を乗り出して話を聞いたりします。





僕がライフワークのように、今もあの戦争について調べる理由は、あの戦争をどのように受け止めて、これからどんな国を作っていかなければならないかを考えるためなんだと思います。




僕は、あの戦争は、「どちらが悪くて、どちらが正しい」とか、そんな単純な図式では到底語れないと思っていますし、当時の日本国民が軍部に脅されて嫌々戦争に協力させられたという一義的な見方もできないと思っています。



ましてや、「悪党国家・大日本帝国が、正義の連合軍に成敗されて、改心して生まれ変わったのが今の日本国」だなんて思いたくもありません。



どんな歴史もそうであるように、歴史はいくらでも勝者にとって都合の良いように書き換えられます。



また、今現在権力を持っている側の人間にとって都合の悪い事実はもみ消されます。





ここで、歴史の詳細に関する考察を述べることは避けますが、まず間違いなく、一部の人間を除いて、僕たちの先祖は悪意を持ってあの戦争を引き起こしたわけではないです。



そして、あの戦争において、多くの無名の人々が命を賭して戦ったからこそ、今の日本があるんだということを、もっと日本人は知るべきだと思います。



北海道が日本の領土にとどまったのは、終戦後どさくさに紛れて北から攻め込んできたソ連軍と死闘を繰り広げて領土を守りきった兵士たちがいたからだとどれくらいの日本人が知っているでしょう?



パラオや台湾などの国で、今も新日家の人たちがいることはなぜか考えたことがある日本人はどれくらいいるでしょう?



日本の敗戦後も、アジア諸国の独立戦争に参戦し、アジアの国々の欧米列強からの独立に貢献した元日本兵たちが大勢いたことをどれくらいの日本人が知っているでしょう?



また、あの戦争でアメリカ軍に所属する日系人部隊が、史上最も多くの勲章を獲得した部隊だということを知っている人はどれくらいいるでしょう?




日本人が知っておくべきあの戦争にまつわる事実は、これ以外にもたくさんあります。




それを、日本の歴史教育は教えてくれますか?




残念ながらNOと言わざるを得ないんではないでしょうか。



僕自身、まだまだ知らないことだらけですし、これからも一生をかけて、この日本人の一大叙事詩について勉強していこうと思っています。






今や、日本がかつて世界の国々を相手に戦ったことを、多くの日本人は忘れていきつつあります。





僕は、年に一度の終戦記念日にこそ、日本人の一人一人が、あの戦争の意味を考えるべきだと思います。




日々、何気なく歩いている道にも、多くの日本人の血と涙が染み込んでいるかもしれないことを、絶対忘れてはいけないと思います。