「風が強く吹いている」を観てしまった。

観たら絶対泣くと思ったけど、とうとう観てしまった。

案の定涙が止まらんかったし、めちゃくちゃ感動した。

 

駅伝は好きでよく見る。

毎年楽しみで、駅伝みて頑張ろうって気持ちになれるのがとてもいい。

 

駅伝がなんで好きか。

陸上や運動全般、自分はちゃんとやったことがないので上手く伝えられないが、

スポーツ観戦とか好きで応援するのも好きだし、

見ててパワーをたくさんもらえる感じがたまらなく良い。

吹部にいたから高校野球の応援席で演奏できたのは幸せな思い出。

 

駅伝の話に。

 

駅伝で思い出すのは、高齢者施設で仕事してた時にお会いした利用者さん。

人生の殆どをマラソンにかけてた方で、前回東京オリンピックのマラソン関係者で、

長年箱根駅伝のある大学のコーチや運営等で関わってきた方でもあり、

地元に駅伝大会を開催しようと全身全霊を注いで実現させた方。

 

本当にマラソンが好きで、脚の筋肉も選手のように素晴らしく、姿勢もとても良い。

子どもが陸上でマラソンやってたのをどこからか聞きつけ、

これ使えよと自身の数々のスポーツウエアなどをくださった気さくな方。

お会いした時には認知症がかなり進んでおり、

シャツをズボンのように履き、Tシャツの着用方法がわからなくなるお茶目な一面を持ち合わせていたおじいちゃん。

 

会話はかみ合わないけど、マラソンの話、特に駅伝の話になると目がとても輝く。

ビックリする程の記憶力を発揮する。

駅伝の写真を見せれば1枚ずつ丁寧に当時の様子を詳しく説明してくれる。

 

時が経ち、さらに認知症が進み歩行困難に。

車椅子が余儀なくされ、会話も乏しくなる。

でも会うたび「リハビリ頑張って目標は今年中にシニアマラソン大会に出る」と仰ってた。

会えば必ず「息子はまだ走ってるか頑張っているか」と我が子のように気にかけてくれた。

 

その後、状態悪化による入院でその方と会うことはなかった。

年齢や認知症の進み具合からして、目標であったシニア大会への出場はかなわなかったと思う。

 

それでもあの時の、駅伝を語るあの輝く眼差しを、自分は一生忘れない。

人をそこまで熱くさせ、人生の全てまでかけた強い思いを語る姿、今もずっと覚えている。

 

駅伝は、情熱や希望を持って、強く生きる力を与えてくれるのだ。

 

そういう熱い思いを次世代に引き継いでくれる。

駅伝にはきっとそういう魅力があるんだろうな。

 

アカン、思い出したらまた泣く。