あれは、今から3年前…
1月1日
「親父いないけど、一緒になってほしい」
2年程付き合った人からプロポーズされた。
当時26歳だった私は周りの第1結婚ブームに乗ったと舞い上がるのでした。
結婚式の準備に胸を踊らせ、高級ホテルでの結納を済ませ、オーダードレスの仮縫いを始めようとしていた。
12月の結婚式だったが、4月の時点で新居となるマンションを購入していた。
相手は7月から1人でマンションに住み始め、私はまだ籍も入っていなかったので他人として自分で境界線を引いていた。
マンションに行く時は必ず連絡をして、インターホンを押して入っていた。
ある日、私は有給休暇をもらいマンションの掃除をしに行くことにした。
もちろん、きちんと相手に連絡もした。
相手は出張中で家には2日ほど帰っていないとのことだった。
連絡をしてから、何度か「もう行ったのか」と問い合わせがあった。
マンションに着き部屋に入った瞬間、とても嫌な予感がした。
寝室に掃除機をかけ、リビングを片付け、お手洗いをキレイにし、バスルームに入った。
嫌な予感が的中した。
女性用のシャンプーとトリートメントが置いてあった。
私はまだそこで寝泊まりしたことがなかった。
洗面所の引き出しを開けるとそこには、クレンジングオイルと洗顔料が入っていた。
バスルームに戻り、恐る恐る排水口のフタを開けてみた。
私の髪の色でない金色にちかい
茶色い長い髪がそこには溜まっていた。
リビングに戻り周りを見渡すと、飾っていたはずの2人の写真がなくなっている。
「あぁ、そういうことね…」
裏切られたと思う反面、やっぱりなと思う自分がいた。
あの何度もしてきた連絡は見つかったかを確認するためだったか…。
仲が悪いわけではなかったが、お互いに本音では接していなかったのだ。
結婚は家族を喜ばすためだったのだろう。
涙もなにも出なかった。
ただ、食欲は全くなくなり1週間で5キロ以上は痩せた。
私はすぐに婚約の破棄を申し出た。
あと2ヶ月ほどで結婚式だったが…。