
「お元気ですか。 私は元気です。」
同じ書き出し
それはいつものこと
君が逝ってから…
届くはずのない手紙
書き続ける
内容は近況報告
どれだけの月日が経っただろう…
私の時計はあの日に止まったまま
君がいなくなった日から…
秒針を引っこ抜いたの…
それから、ずっと届くはずのない手紙書き続けている
君は口下手で不器用だったね
最初に告白してくれたのは君だったけど
プロポーズしたのは私だった
「結婚してやってもいいぞ」って
照れくさそうに君は言ったね
まさか、こんなに早く君が消えてしまうなんて
真冬の凍えそうな
プラットフォームで
マフラー巻き付けた口元から
白い息が出ていた
その時 私は君を幸せにしたいと思ったんだ
イツカ この手紙も終わりが来るだろう
君とホントにサヨナラしなきゃ…
それまでは 「お元気ですか?」って
宛先のない手紙を書くだろう
「私は元気です」と…