
女王の瞳から涙がこぼれ落ちました。
その涙は
たちまち結晶となって女王のドレスに
ふりつもりました。
そのドレスの上にふりつもった結晶を見ると
女王の心はますます悲しみでいっぱいに
なるのでした。
あまりに女王が嘆き悲しむので外の世界は
猛吹雪になっていました。
そして
女王はあることを思いつくのです。
女王は家来に絵描きを連れてくるように
命じました。
連れてこられた絵描きに女王はこう言いました。

「私は冬以外の世界をいまだ見たことがありません。
なぜなら 私は四季のうち冬の世界を守る役目を担っているから
この城から出ることも許されないのです。
おまえに頼みがあります。
おまえが知っている四季を描いてほしいのです。
それしか他の世界を知る術がないのです。」
絵描きは女王をしばらく見つめてから
こう答えました。
「わかりました。私の知っている四季を描きましょう。
四季ということですから もちろん冬も描いてよろしいのですね。」
女王は冬の絵など どうでも良かったのですが
「ええ おまえの好きなようにしなさい」と言いました。
またまた続く(汗)