何故2008年に公開された映画の、昨年記事として載せた感想を再び載せようと思ったのか…自分でもよく分からない。

記事という程でもないちょっとした感想だ。

今は東日本大震災に関する事に時間を割きたいはずなのに、何故だかここずっとこの作品の事が頭をもたげてならない。

作品の原作は梁石日の2002年に出版された小説。タイを舞台に臓器移植を目的とした幼い子供達の人身売買や幼児売買春を描いた作品であくまでフィクションである。

あらすじの一部…タイ北部の貧しい山岳地帯の村から実の親に売られ、

日本や欧米などの世界中の富裕層が集まるバンコクの売春宿に連れて行かれ、

大人達の性的玩具にされている8歳の少女ヤイルーン。

1年後エイズを発症し彼女は商品としての価値をなくし、食事も与えられず、衰弱しきった状態でゴミ袋に入れられ処理場に捨てられる。

ヤイルーンが売られた2年後、今度は8歳になった妹のセンラーが売春宿に売られていった…

娘を売った金で両親は冷蔵庫やTVを手に入れた…


これは作品のほんのさわり…

この小説を原作として阪本順治監督が映画化をし2008年8月2日に公開された。当時は「値札のついた命」というサブタイトルまで加えられていたようだ。


バンコク国際映画祭にも出品予定だったのだが、主催者側が内容がタイの暗部を強調しており、

国のイメージを損なう、子供の人身売買をテーマとすることは認められないなどの理由から上映は中止された。

あまりにもダークな内容ゆえ観光地としてのイメージが悪くなるという事を考えれば…まぁ、仕方ないのかなぁとも思った。


だが、あくまでフィクションではあるが、現状は限り無くノンフィクションであろうと思った。

臓器移植の問題はともかく幼児の売買春は深刻な現実であろうと思った。

かつて日本も非常に貧しい時、娘達はわずかな金で売られ置屋や遊郭で身売りをせざるを得なかった時代があった。

世界中で同じ事が行われてきたのだろう…


だが、今の現代で未だに人権を無視した幼児売買春が存在しているかと思うと、吐き気をもよおしそうになると同時に憎悪でいっぱいになる。


ユニセフが目を光らせても法の網の目を掻い潜り、どんな悪どい非人道的な商売も出来るのが人間だから…


昨年の映画を観た感想を載せます。

http://m.ameba.jp/m/blogArticle.do?unm=ma-yu-mi39&articleId=10700901403&frm_src=article_articleList

知ってもらいたいという思いがあるから…


目を背けずにこの狂った世界を観る義務や責任が大人にはあると思うから…


世界中の子供達が笑顔でいられる事を切に祈ります…