復職の話が本格化してきた時からだろうか…
精神が不安定だ。

待望の復職なのに。そもそも休職する事自体が不本意だったのだ。

それなのに、復職の話がうまく運ぶにつれ心の均衡が保てていないような気がする。

昼間眠り続けるのも、いわば不安から逃れる為の手段で不安定である事を示している。


自分の本当の気持ちが掴めなくて疲れる。

自身の心を覗き込む。いろんな感情が渦巻いて暗澹としている。

泣きたいの?泣きたいような気もするが涙は出ない。

では、どうしたい?

心の全てを吐き出すかのように叫びたい。地の果てまで届くように。言葉にならぬ奇声を、声にならぬ声を心のおもむくままに…


絶望的な荒れ果てた砂漠の風景が浮かぶ…

そこが地の果て?

再び、我が心を覗き込む。

今度は何故だかフリーダ・カーロとディエゴが映りこむ。

彼女の作品郡が頭の中を通り過ぎ、私の中に酷い痛みが残った。


心と体を蝕む痛み。バス事故でフリーダを貫いた鉄の棒で自身も貫かれたかの如く。


私の代わりに彼女の自画像が涙を流している。血にまみれた体…

肉体の痛みと心の痛み…
ディエゴの裏切りに私も傷つく。


そこまでだ…これ以上心を覗き込むのは良くない。虚無感に襲われないうちに逃げるのだ。

心の扉をそっと閉じた。