ビジネス文書や、手紙・はがきなどの郵便物を書くときに、間違いが多いビジネスマナーがあります。それは、敬称についてです。
会社名に「様」をつける、「各位」のあとに「様」をつけるといった間違いをしている人が、非常に多く見受けられます。
また、「殿」は本来、地位が上の者から下の者に対して呼びかけるときに使っていた敬称でしたから、目上の人に対して「殿」を使うのも間違いです(慣例的に、役職名のあとにつけることはあります)。
どうでしょう?思い当たることがありませんか?
ビジネスでの連絡手段の主役がEメールになったことで、正式な文書を書いたり、手紙やはがきを書いたりする機会はグッと減りました。
それに伴って、こうした敬称についての基本的な決まりごとを、そもそも教えられたことがないという人も増えているようです。折角ですから、この機会にしっかり身につけてくださいね。
●敬称いろいろ
個人名のあと→田中太郎様
企業(官庁・団体)名のあと→○○株式会社御中
役職名のあと(個人名なし)→営業部長殿
役職名+個人名のあと→営業部長 田中様
同格の多数に対して→取引先各位
×取引先各位様
「各位」だけで既に敬称なので、二重に敬称をつけるのは間違いです。
×○○株式会社様
よくある間違いですが、会社名や組織名のあとには「御中」を使います。
●役職名と個人名がある場合
役職名と個人名がある場合は、役職名を先に、個人名をあとにして「様」をつけます。個人名を先にして、役職名に「殿」をつけても間違いではありませんが、避けるべきでしょう。
○営業部長 田中太郎様
△田中営業部長殿
●返信用はがきなどの場合
返信用はがきなどで、自分の名前に「様」がついている場合は、返信する際に忘れずに二重線で消しておきます。