入院中の外出許可で出かけたことが、「片耳とらのあな」の原点だったというお話しをしました。
外出を許されたのは術後12日目のことです。あれだけの大手術の割にはずいぶん早いですね。確かに、”キズの大きさ”という点では、お腹を切ったりする手術に比べてずっと小さいし、手足の運動や食事面での制限はほとんど、というか全くないということもありました。これは手術前には想像もできなかったことです。
外出許可の前は
”キズ”の手当という点では、術後に1回だけガーゼの交換の際に消毒しただけで、その後間もなくガーゼも包帯も無しで”脳外バンド”のみとなっていました。外出許可が出るずっと前に、既に病棟の廊下をスタスタ歩き、例の”ホチキス”で留められた傷口があってもガシガシと平気で頭を洗っていました。そして、コンビニのスィーツも食べ放題でした(笑)
術後の経過というのは、同じ手術をしても患者さんによってずいぶん異なります。歩行にフラつきがあったり、ひどく顔面麻痺が出たりしていると当然外出は許可されません。また、髄液漏れが認められると安静が促され、寝る時も上半身を常に30度以上に保つよう、ベッドを起こしていなければならない方もいました。そういった意味では自分はとても幸運だったと思います。
平気だと思っていたけど...。
以上のような状態でしたので、何か”変な自信”のようなものを持ってしまい、”外出しても平気”だと思っていました。初回の外出は、前述のように病院から目と鼻の先の都庁でしたので、あいにくの天候ではありましたが、庁舎の中に入ってしまえば混雑も無く、割と順調に予定をこなすことができました。それで余計に自信を深めてしまったのですね。無謀にもその次の外出時には、地下鉄に乗って”少し”遠くまで行ってみようという”野望”を持ったわけです(^^;
つづく...。