『TALIO(タリオ)』~いじめを受けて自殺した親友Tへ捧げる~
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さいごに。

12月2日


僕はずっと考えていた。

「抹殺計画」こそが、Tが僕に託したかったことだと断定はしたものの、行動しながら日々襲い掛かる不安感。終焉を迎えて、緊張からは解放されたが、得られない達成感。それらは全て、「抹殺計画」だけが答えではないことを物語っていた。

だから僕は、計画に終わりが来ても、答えを探し求め、いつでも頭の中は試行錯誤を繰り返していた。そして、Tの墓参りをした時に、おぼろげながらも答えが見つかり、自分なりに考えをまとめることに懸命となった。

あれから一週間が経ち、僕は一つの答えに辿り着いた。

Tが残した日記の意味――彼が僕に託した本当の答え――に気づいたのだ。


確かに、「抹殺計画」の成功により、いじめを行っている生徒は学校から姿を消し、Tのクラスの――C組の――いじめは無くなったかもしれない。けれど、もっと広い世界に目を向けてみたら、C組内でのいじめは、ほんの氷山の一角に過ぎない。学校中、いや、日本中、世界中の学校や会社でいじめが行われている。

そういった現実を考えてみると、C組からいじめを行う生徒を排除しても大した影響力にはならないと思う。世界中から「いじめ」を取り去らねば、本当の幸せは訪れないのではないだろうか。


僕が日記の中で何度も言っていたことだが……いじめるが行われるのは、いじめる側に全ての責任がある。故に、いじめを行う人を消さなければならない。だからと言って、いじめた人全員に「抹殺計画」を行えという訳ではない。それは最終手段だ。まず先にやるべきことは、「人をいじめよう」という気持ちを起こさせないことだ。

人と関わりを持てば、他人に対して腹を立てたり、劣等感を抱いたりすることがあって当然だ。自分にそのような感情が湧いた時に、相手をいじめよう、などという軽率で愚かで安易な発想をする人間を作らないようにすることだ。


Tがいじめられ、体が傷つき心が壊れていく経過は、読むのも辛く気分が滅入るかもしれない。けれども、いじめの残酷さや卑劣さを克明に知ることが出来る。安田はTの死を無駄だと言ったが、決して無駄などではなかった。Tは命を掛けてでも、いじめの卑劣さを伝えたかったに違いない。

更に、僕の日記によって、いじめる側の愚かで臆病な考えや歪んだ心理が分かる。


だから僕は、この日記を公開することに決めた。

Tと僕の日記をブログという形で公開することを……。


公開したブログを偶然目にした方々に知って欲しい……現実に行われているいじめの卑劣さを。そして、気づいて欲しい……いじめは断じて他人事などではなく、いつ何処で、自分も関わりを持つ可能性があることを。

身の回りでいじめを行っている人がいたら伝えて欲しい……いじめという行為は、とても卑劣な行為で、繰り返せば繰り返すほど、いじめを行う人の精神を蝕み、生きる価値のない人間へと変えてしまうことを。

もし、いじめの現場に遭遇したら、決して気づかぬふりなどせずに、その人の行為を止めてあげて欲しい……ただし、僕が日記で書いたように「止めなさい」などという安直な言葉で止めてはならない。


そして、誰かをいじめている人にはこう言いたい。

君がやっている行為は、醜劣で浅はかで卑怯な行為だ。いじめを行えば行うほど、君は周囲に自分の程度の低さを公表しているのだ。他人を傷つけようという安易な発想しか湧かない君は、周囲から頭が悪い奴だと評価されていることに気づかないのだろうか。

ましてや、人の意見に流され、いじめに加担している人は、まるで金魚のフンだ。臭くて、そのうち誰も君に近づかなくなるだろう。今は仲間だと思っている奴等も、直ぐに君から離れていく。

だから、いじめなどという愚かな行為はすべきでない。

もう一度言うが……生きていれば必ず他人と関わりを持つ。関わりを持った人全員と、上手くいくなどということは有り得ない。好きになれない人もいるだろうし、腹が立ったり劣等感を抱くのは当然なのだ。

もし、他人に対して良からぬ感情を抱いた時は、決して相手を責めたり危害を加えたりするのではなく、きちんと相手と向き合い、相手を理解するよう努めて欲しい。

いじめは所詮、逃げである。相手と向き合うことが出来ない、弱い人間のすることだ。けれど、君に強くなれと強要するのではない。

他人を表面的に見て、独自の考えで判断するのではなく、その人の心の内まで理解するよう心掛けるのだ。相手の心に入り込む勇気と強さを持って欲しい。

君が心掛けるだけで、今後絶対に、誰かを傷つけようなどという考えは浮かばなくなるだろう。


――ブログを目にした全ての人に言いたい。

これ以上、いじめの加害者、被害者を出さないために、人をいじめようとする愚かで臆病な心を持ってはならない。そういう人間を作ってはならない。

これ以上、醜く汚い奴らに傷つけられる人を放っておいてはいけない。綺麗で優しい心が壊されるのを放っておいてはいけない。




最後に……

二ヶ月間、僕のブログを読んで下さった方に、これだけは言いたい。

このブログはTと僕の「二人の日記」であり

「石井」が最初の制裁ターゲットとなり

全てはTのクラスである「C組」で行われ

「高橋」が二番目のターゲットとなり

「石原さん」が重要なキーワードを僕にくれ

「大野」も「野口先生」も関わる話であること。

聡明な方であればご理解頂けると思うが……



※多くの方から沢山の応援、励ましのメッセージを頂けたこと、深く感謝しております。。

本当にありがとうございました☆

返信が遅くなってしまうでしょうが、また、いつでもメッセージをくださいね。


マサオ



             --- 完 ---

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