いきなりだが下のリストをご覧頂きたい。

78年4月4日後楽園のライブを収録した『キャンディーズファイナルカーニバル プラスワン』より
前半の洋楽カバー曲をピックアップしたものです。

OPEN SESAME(Kool&The Gang)
JUPITER(Earth Wind&Fire)
DO IT(USE YOUR MIND)(The Three Degrees)
PLAY THAT FUNKY MUSIC(Wild Cherry)
FANTASY(Earth Wind&Fire)
GOING IN CIRCLES(Three Dog Night)
【※最後のリンク先にはキャンディーズがカバーした洋楽のジャケが出て来る凝った作りになってます】

まず何がトンでもないかと言って、自分達の解散コンサートのオープニングにカバーを
普通持ってこないですよね(;^_^A

そして見事に全部ブラックミュージックというのが象徴的です。
キャリアの中で後期になるほどソウル・ディスコ系が増えてましたけど。
メンバーで最も音楽的素養があったミキちゃんが、スティービー・ワンダーの大ファン
という事も影響していたのかもしれません。



実は彼女達、かなり早い時期から洋楽カバーをアルバムに入れてました。
アルバム収録曲だけ拾ってみても以下の通り。

『危ない土曜日/キャンディーズの世界』より
STUPID CUPID-まぬけなキューピット(CONNIE FRANCIS)
TICKET TO RIDE-涙の乗車券(The Beetles)
YESTERDAY ONCE MORE(The Carpenters)
CALIFORNIA DREAMIN'-夢のカリフォルニア(The Mamas & the Papas)
BUS STOP(The Hollies)
LITTLE DEVIL-小さな悪魔(Neil Sedaka)


『なみだの季節』より
SUGAR BABY LOVE (The Rubbetes)
THE GREEN GREEN GRASS OF HOME-想い出のグリーン・グラス(Joan Baez、etc.)
COTTON FIELDS(Highwaymen、etc.)
GREEN GREEN(The New Christy Minstrels)
I BELIEVE IN MUSIC(Mac Davis ※沢田研二の訳詞をカヴァー)


『蔵前国技館10,000人カーニバルVol.2 キャンディーズ・ライブ』より
PROUD MARY(Creedence Clearwater Revival)
DO YOU LOVE ME(The Contours)
THE HOUSE OF THE RISING SUN(The Animals)
NEVER MY LOVE(The Association)
(THEY LONG TO BE)CLOSE TO YOU(The Carpenters)
SIR DUKE(Stevie Wonder)


『キャンディーズ11/2やさしい悪魔』より
HERE, THERE AND EVERYWHERE(The Beetles)
BREAKING UP IS HARD TO DO(Neil Sedaka)
JOLENE(Dolly Parton)
LOVE IS BLIND(Janis Ian)
TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS(John Denver)
ONE BOY(Joanie Sommers ※リンクはアン・ルイスです)



『CANDIES 1676 DAYS/キャンディーズ1676日』より
ISABELLE(Bruno Grimaldi ※CD等に記載のダニエル・ギシャールはミスプリらしい。)
LET IT SHINE(Olivia Newton John)
IT'S GONNA BE A COLD COLD CHRISTMAS-恋のラストシーン(Dana)
SE PIANGI,SE RIDI-君に涙とほほえみを(Bobby Solo)
※この曲↑初めて聴いたけど「横浜ホンキートンクブルース」はまさかこれを・゚*・(゚O゚(☆○=(`◇´*)o
DANCE,DANCE,DANCE(Bay City Rollers)
MIDNIGHT LOVE AFFAIR(Carol Dauglas)
LOVE FEVER(Bay City Rollers)
MUSCULIN SINGULIER(Sylvie Vartan)
STEEL WILLIE(ロゼッタ・ストーン ※元が見つからず、キャンディーズver.)
INSIDE A BROKEN DREAM(Bay City Rollers)


まだおそらくあると思いますが、ざっと調べただけでもこれだけの数になります。
これ以外に以前にも貼った通りTVでアバやシュープリームスをやったりもしてますし。

彼女達以外も当時の歌手は洋楽カバーをよくやってたのは事実です。
ただ改めて見ると、このレパートリーは尋常じゃないと思いますね。
メンバーがみんな洋楽好きだったのを差し引いても、スタッフサイドに何か
思惑があった様な気がしてしまいます。
初期こそよくあるオールディーズでしたが、徐々に選曲がやたらマニアックになってるしw




 記録によれば大里氏は学生時代ブラスバンドをやっていたそうです。
ブラスセクションを重視したバックバンドを付けたのも彼の嗜好が反映されてたんじゃないかな?
そして時代はソウル・ディスコ全盛期。
アミューズ設立後、最初に手掛けたのがスペクトラムというのも今思えば納得です。
(もっと言えば、BEE-HIVEもダンスはB系が主流だったようですしね。)

当時の記録では大里氏はキャンディーズのソロ活動も視野に入れていたそうです。
でも社長に潰されたのが袋小路に入ってしまった一因の様ですね。
それだけでは無いんでしょうが77年にナベプロと袂を分けてアミューズ設立となる訳です。






 ここからは想像ですが、ピーナッツの様にいずれ海外進出も考えていたのではないか?と。
それが突然の解散騒動で夢が破れたと。

時流れて四半世紀後、キャンディーズに酷似した状況の3人組ユニットとまた出会った。
そりゃイメージをダブらせるなという方が無理でしょう。

以前からPerfumeが芽が出ないままの期間、なぜ事務所がギリギリまで解雇しなかったのか?
という疑問がありました。
こうして考えてみるとやはりどこかで大里さんの庇護があった様に思えて来るんですよねー。
自らの忘れ物を取り返してくれるのをPerfumeに託したのではないか?と。
もちろんそれ程甘い世界じゃないのは承知ですが(;^_^A

ところがタイムリミット間近の08年に突然ブレイク。

前記事に頂いたコメントの指摘もあった通り、09年前半にかけて一時は事務所も
それこそ本気で「平成のキャンディーズ」にしようとした節は感じます。
ただそれが、彼女達に予想以上の負担(特にメンタル面)をかける事にいち早く
気付いたのかもしれません。
シャンデリア終了後は確かにかなりメディア露出のチョイスが慎重になってる感じですね。


ところがここに来てCMにも積極的に出たり、昨年暮れくらいから一応(笑)海外での
パフォーマンスもありーの、中心人物のあ~ちゃんの口からTV出演に前向きな発言があったりと
変化の兆しが見られます。
それだけ気持ちに余裕が出て周りに目が行き出した証拠かもしれませんね。


ドームの演出にも今まで以上に直接関わった様だし、あとは肝心の楽曲制作でどう中田教授と
折り合いをつけるかですなあ(笑)
ちなみにキャンディーズ最後のオリジナルアルバム『早春譜』は全曲メンバーの作詞作曲です。

Perfumeの強みはオリジナル曲がどこに行っても勝負出来るクオリティな事。
だからこそカバーは殆ど無いし、というか敢えてやる必要もないというのが
中田氏の信条かもしれませんけど。
まあ作曲は無理でも、一曲くらいは作詞させてみてもらえんですかねえww




いずれにしろアミューズも体勢が変わり、大里氏の意思がどこまで反映されているのか
我々には分かりません。
ましてPerfumeも自我を主張出来る気持ちも立場も獲得したわけで、ここから先は
予測不能な領域に向かう事になるでしょう。



Perfumeの着地点がどこになるのか、まずは2011年の活動で一つの方向が見えると思います。
それがより遠くであります様に。

だらだらと書き連ねてきましたが、今回でこのシリーズはいったん最終回とします。
結局何が言いたいのかよく分からなくなりましたが・・・ま、いつもの事ですw

お付き合い頂いた方には御礼申し上げますm(_ _ )m