父の初恋の人 | くじらの南仏プロヴァンス日記



次々に飛び込んでくる映像に、心が痛い。


未曾有の大惨事となった今回の地震、大自然の驚異に、人は為す術もない・・・。



じつは私の父は1960年のチリ地震のときに、岩手県の大船渡市に住んでいて、津波の経験者だ。


あの頃はテレビなどないから、遙か遠くの異国での地震を知らずにいたらしいのだが、


地元の人たちに、逃げろ、津波がくるぞと声をかけられ高台に逃げたという。




そして津波がくるまえに、海の底が見えた・・・と言っていた。


このときも大船渡市は大打撃を受け、多くの死傷者がでた。




この大船渡には父の初恋の人が住んでいる。


いつ連絡をとりあったのかは知らないけど(笑)


いつの日からか、三陸でとれる新鮮な魚貝が毎年家に届けられるようになった。


秋にはサンマ、冬にはホタテ貝や牡蠣が届き、私たちを楽しませてくれる。


まだ生きてるホタテ貝を網の上で焼き、日本酒とお醤油をちょこっとたらす。


翌日はバター焼きにしてにんにくスライスをのせる。


お正月をいつも日本で過ごす、私の旦那も大喜びだ。


いつだったか、このホタテ貝から真珠が出てきたこともあった。


ちょっとイビツな真珠だったけど、うれしくて、今でも大切に保管してある。



毎年、届けられるこの贈り物の主を不思議に思い、父に尋ねたことがある。


そしたら照れくさそうに「お父さんの初恋の人なんだよ」と言っていた。






そして、心優しき初恋の人の消息が、いまだわからない・・・。




津波は、そんな甘酸っぱい思い出も、子供たちの笑い声も、暖かい家も、


すべて根こそぎ倒して、静かに海へ帰っていった。


大自然の猛威の前で、人は無力でしかない。




余震が続くなかで被災された方の心情は、計り知れない。



テレビをみて愕然とすることしかできない私は、祈ることしかできない。





くじらの南仏プロヴァンス日記





















せめて空に放つ風船に祈りをこめて。


1日も早く、心安らかに暮らせるように。






亡くなった方たちのご冥福を心よりお祈りいたします。





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