じいちゃんが出て行った話のつづきです。
高校2年生の秋で、修学旅行が目前でした。
費用の積立をしていなかったので一括で払わなきゃいけなかったのですが、じいちゃんが出て行ってしまい私のお給料は全て家計費に…
どう頑張っても捻出できず、修学旅行は諦めようかとも思いました。
ある日の焼き鳥屋さんのバイト中に、我が家の事情を知ってる常連さんから、修学旅行はどこにいくのか聞かれました。
行かないと言うか行けないんですよ〜
と笑いながら話したら、マスターと奥さんとお客さんが固まって顔が強張っていました。
状況を詳しく話してと言われました。
・昼間は下の弟達の世話をする為に平日に母が家に居るようになった
・パチンコは土日以外は行けなくなったから、無駄遣いは前より無いだろうけど生活費が足りないと言われ、バイト代は母に全て渡してる
・家事炊事はほぼ私がやってる
細かいことも色々聞かれましたが、ざっきりはこんな感じを伝えました。
3人とも深刻そうな顔で、ちゃんと食べて寝てるのかをとても気にして心配してくれたのが、とても嬉しかった。
そしてバイトが終わって着替え終わると、3人にカウンターに座るよう言われてて話をしました。
旅費がいくらかかるのか?と聞かれ8万かかると伝えると、おっしゃ俺が5万出すわ!と常連さんから5万渡されました。
そしてマスターが自分の財布から3万出して渡して来ました。
そんないつ返せるかわからないし受け取れないです!と断ると、
これはお小遣いだから返さなくて良い!
と、私のカバンに丁寧に入れてくれました。
この時、初めて人前でわんわん泣きました。
自分の家庭が普通じゃ無いこと、働き蟻のような自分の毎日が辛いこと…
いろんなことがあり過ぎて辛い日々に、人の優しさに触れた途端に我慢できなくなり泣きながら話してました。
話を聞いてくれて、励ましてくれて、頼っていんだよと言ってくれました。
その日はもう遅かったので、感謝を伝えお金を受け取り家に帰りました。
勝手に財布を開けたりカバンを漁るので、母には絶対バレないよう隠し、次の日には学校の事務局に持って行き払いました。
お小遣いは3万と決まっていましたが、1ヶ月しか無いし家にお金入れなきゃだし、多分3万より少ない額しか捻出できないなぁ〜
用意しなきゃ行けないものもあるし、どうしようかなぁ〜
と次なる問題も考えつつ、マスター達に感謝をしながらバイトをがんばろう‼️と思いました。
そんなある日、学校から自宅に領収書が届き母に見られてしまいました。
どうやって払ったのか聞かれ、バイト代をくすねてんのか?と怒鳴られて腹が立ちました。
バイト先のマスターとお客さんがお金を出してくれたと話すと、へぇ〜と。
いや、本来あなたや私が出すべきお金だったんだよ!バイト代は全部あなたに渡さなきゃだから払えなくて、可哀想とみかねて出してくれたんだよ!
と思いながら、この時は黙ってました。
母にダメ元でお小遣いだけは少し出して欲しいとお願いする為に…
そしてちょっと時間を置いてから、お小遣いを2万くらい出して欲しいとお願いしました。
まぁ旅費が浮いたしね〜それくらいなら良いけど、ちゃんと返してよ。
と言われて、は?と思いましたが、取り敢えず返す約束で出してもらえる事に。
ほんと母と会話をすると頭がおかしいとしか思えない発言に、何が正しくて普通はどうなのか?自分でもわからなくなってしまうんです。
2万のお小遣いをもらう為の条件は
今後も、家事炊事をやる。バイト代は全額渡す。
しかもその2万は母に返す。
これはお前の借金だからな
この言葉に腹が立ちました。
私が初めて借金をしたのは母にだそうです。
そして、返せってどこから?って感じですが、
バイトを増やせって事だったんです
この頃は、私にとってほんとに体力的にも精神的にも辛かった時期でした。
じいちゃんが精神的支えになっていたんだなぁと、いつもじいちゃんのことばかり考えてました。
そんなじいちゃんは、施設での生活で日々の体調も良くなり元気にしているよ!とたまに連絡をくれていました。
ただやはり家やお金が心配なようで、時々ポストに封筒に入れた1万円が入っていました。
封筒には孫達へ。と書かれていて、母宛では無い意思が伝わってくるものでした。
その1万円はじいちゃんの唯一のお小遣いから出してくれてる1万円。
みんなで話し合い、学校で必要なものや何か集金があればそちらへ回すようにしていました。
じいちゃんと母ですが…関係がすこぶる悪かったので2人が顔を合わせる事も、連絡を取る事もありませんでした。
兄弟みんなその現状に疲れて、母に対して嫌悪感を抱いていたと思います。
マザコン兄ですら、必要最低限で母とは顔を合わせないように生活していました。
私はバイトをフルでしていたので、兄が下の弟達の面倒を見なくちゃいけなくなり、思春期の兄にとってそれが一番嫌だったんだと思います。
続きます