実刑判決確定についての会見 2021.9.17 | 池袋暴走事故 遺族のブログ

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平成31年4月19日、池袋において発生した交通事故。10人が重軽傷を負い、私の最愛の妻と娘の尊い命が奪われました。
再発防止について活動して行きます。
何卒よろしくお願いいたします。

実刑判決確定を受けて、本日記者会見をしました。


以下に内容を記載します。
詳細はまた後日改めてご報告いたします。

↓以下会見内容

禁固 5 年が確定しました。 ⻑かった裁判がようやく終わるという安堵の気持ちと、正直とても複雑な心境です。

私が何よりも知りたいのは、飯塚氏が、過失を認めた上での控訴断念なのかということで す。
ご周知のとおり、彼は自分自身の過失をずっと否定していました。

一方で裁判所は判決で過失と認定した上で、「この判決に納得できたなら、罪を認めたうえ で被害者に謝罪を」と仰っていました。 今のところ、飯塚氏から「自身の過失だと思う」という言葉は聞けていません。

私はずっと、「自分自身の過失だと思う」という一言が聞きたかったです。そのたった一言 だけで、どれだけ私たちが救われたかを考えてほしかったです。

自分のミスを受け入れることは勇気がいることかもしれませんが、客観的証拠と真摯に向き合って欲しかったです。 最後まで過失を認めてはくれませんでしたが、刑務所に入ると彼が決めたのであれば、それを尊重し、罪と向き合ってもらう時間にしてもらいたいと思います。

今後刑務所で過ごす 5 年間で、「自分自身の過失であったな」と素直に思える日が来た時、 飯塚氏にとって本当の贖罪の始まりなのではないかと思います。 自分だけに囚われず、人間として、他者を思いやる心を取り戻す時間にして欲しいです。

私個人としては、免許を自分の意志で更新し、運転をし続けた結果、11 人を死傷させてしまったのですから、年齢は関係なく平等に罪は償ってほしいと思っています。
 他の高齢ドライバー事故のご遺族も仰っていることですが、いざ事故を起こしてしまったときに、加害者が罪を償えないことが多いです。
罪を償う前に亡くなってしまったり、今回の裁判のように、なかなか裁判が進まなかったりもします。遺族はなんともやりきれない思いをします。

だからといって、高齢ドライバーに一律免許返納させるべき等とは私は思いません。運転適性がある方、無くなってしまった方を適切に判断する仕組みと、適正が無くなってしまった方や、免許返納を決断した方をどう救済していくのかという議論はもっとしなくてはいけないと思います。

ここからは、裁判から離れて、未来の話をします。

裁判に参加しながら、社会全体にとって本質的に大事なことは何かとずっと考えてきました。

私が本質的に大事だと思うことは、この事故を教訓にして、未来に起こり得る交通事故を防ぐことだと思っています。 

もちろん飯塚氏は事故前に何度も運転をやめるという選択肢は選べたはずですし、事故後の言動はあまりにも不誠実でした。ですから、非難されてもある程度は仕方ない側面もあると思います。
ですが、事故そのものは起こしたくて起こしたわけではないということは事実だと思います。
 加害者を必要以上に誹謗中傷し続けることや、上級国⺠だとか、逮捕されなかったことですとか、それらは本質的に大事なことではないと私は思います。
交通事故は年間 30 万件以上起き、年間 3000 人近い死亡者が出ています。 私が皆様と一緒に考えていきたいのは、どうすればこういう交通事故が防げるのか、という未来のことです。 なぜなら、交通社会で生きる以上、誰しもが真菜と莉子のように成り得るし、私たちのような遺族にもなり得るし、加害者にもなり得るからです。
私は皆様にそんな思いをしてほしくないから、皆様と一緒にひとつでも交通事故を無くし ていきたいです。
皆様の当たり前の日常が、交通事故によって奪われないようにしたい。 それが真菜と莉子の命を無駄にしないということなのだと私は思っています。

事故から 2 年 5 か月、交通事故撲滅のため、関東交通犯罪遺族の会の仲間と共に、交通事故撲滅を目指し活動してきました。 裁判が終わり、今後はよりその活動を積極的にしていきます。国や自治体、メーカーへの提 言などを続けていきます。ぜひ、そちらの活動にもご興味を持っていただければ嬉しいです。

次に交通事故とは関係はない話ではありますが、今回、飯塚氏が過度の社会的制裁を受けたとして減刑理由のひとつとなりました。
社会で健全な議論はなされるべきだと思いますが、 それを超えた脅迫などの行為は望んでいませんでした。減刑理由になると分かっていたか らです。実際、過度な社会的制裁を理由に減刑されてしまったことは悲しく思います。
加害者もそうかもしれませんが、私もこれまでネットでの誹謗中傷を受けてきました。現在法務省で侮辱罪の厳罰化について導入の方針に固まったと聞いています。被害者であっても加 害者であっても、誹謗中傷がされない世の中になってほしいです。

裁判での記者会見は沢山して来ましたが、これが最後になると思います。 最後に、真菜と莉子への想いを述べて終わりにしたいと思います。

 二人に出会えて本当に幸せでした。たくさんの愛をくれてありがとう。心から愛しています。 「交通事故をひとつでも減らせたよ」と二人に胸を張って天国でいつか言えるように生きていきます。これからは、ふたりの愛してくれた自分らしく生きていきたいと思います。

これまで応援をしてくださった皆様。私たちを支えてくれた支援者の皆様。懸命に捜査をし てくださった警察と検察の皆様。共に戦ってくれた家族や友人の皆。心から感謝しております。本当にありがとうございました。




【関東交通犯罪遺族の会ホームページ】

共に交通事故撲滅や、交通事故ご遺族支援のために活動しています。

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【TBSの池袋暴走事故 報道まとめ】:https://news.tbs.co.jp/newsi_sp/ikebukuro/

【テレビ東京の池袋暴走事故 報道まとめ】:https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/specials?id=13

 

 

【私が1周忌で公開したyoutube動画】:https://youtu.be/wlu0K3TSpbo