ソーリーレジンをいろいろ試しまして使用感や特徴などが掴めてきたので何か作ってみましょう。と言っても私は普段エポキシ樹脂で制作しているので(UVレジンのワークショップはやってますが初心者向け)ぶっちゃけUVレジンの技術は大してないです(笑)

 

せっかく作るなら…

ソーリーレジンの特徴やクセを活かして

ソーリーレジンでしか作れない物

を作りたい。

あと100gもいただいたからレジンを大量に使う物。

 

ソーリーレジンの特徴はいろいろあるけど、「高い透明度」とか「反らない」とか「UV-LED対応」とか単体でいうと他社メーカーのUVレジンでも無い訳ではない。まとめて全部良い特徴が揃っているっていうのがソーリーレジン。

そうじゃなく、良くも悪くもソーリーレジンにしかない特徴を活かしながら作りたいのです。でなきゃ「他のメーカーのレジンで作ってもいいじゃん」ってなるから。

 

そこで着目したソーリーレジンの特徴

①硬化の遅さ

②謎の柔軟性

いろいろ試していてどうにもこの2点が気になりました。

クラフト用UVレジンでは、どちらかと言えばデメリットな特徴かなと。だがしかし、ちょっと視点を変えればデメリットもメリットになるはず。

 

更にソーリーレジンの最大の特徴とも言える

③高い透明度

を活かすため、着色など一切せず透明で作ります!着色めんどくさいし…(笑)

 

使う材料はソーリーレジンのみと言う縛りで作っていきます。

 

以上を踏まえて制作したのがこちらです。

月下美人のオブジェ

 

 

 

以下メイキング。

 

まずは花びらを作っていきます。

ソーリーレジンはとにかく硬化が遅い。でも、この遅い硬化を利用すれば成形や加工ができるのでは?という発想で進めていきます。

 

花びらは全部キッチリ同じ形じゃなくてもいいけど大体の大きさ、形は揃えたい。

用意したのはダイソーのシリコンマット2種。

一つはレジン用の半透明のシリコンマット。これを花びらより一回り大きくカット。

もう一つはキッチン用のシリコンマット(ピンクの)。レジン用の物より柔らかいです。これを花びらの形にくり抜きます。

それぞれのシリコンマットの鏡面同士を貼り合わせます。これで型完成。剥がせるってのがポイント。

そこにレジンを流して気泡を除去。

UV-LEDライトを8秒~9秒照射します。この秒数は何度か試して算出した照射時間。硬化反応が始まるくらいです。モノマー~オリゴマーくらいかな。

まだ全然固まっていないけど、ここでくり抜いたピンクのシリコンを剥がします。

半分以上液体状態で枠が取れた事でレジン液が外側に流れようとします。が、絶妙に固まり始めているのでギリギリで花びらの形をキープします。(たまに形崩れることもある。)

ここで完全に硬化してしまうとピンクのシリコンを剥がした時に、いかにも「型で形を作りました」って感じになっちゃうから、レジン液の表面張力を利用してイイ感じに自然な表面と側面を作ります。これが出来るのはソーリーレジンがサラサラだから。

 

ピンクのシリコンを剥がしたら即UV-LEDを照射。今度は10秒程度。

この照射で花びらの形をキープします。でもまだ硬化途中の状態。

照射が終わったらシリコンマットごと瓶にくるっと巻き付けます。そして完全硬化するまで照射。UV-LEDだけだと時間がかかるので普通のUVライトも使いました。

 

硬化完了してシリコンから剥がすと反りのある花びらが出来ます。収縮で出来た反りじゃなく意図的に作った反りですよ。これが出来るのも収縮しないソーリーレジンだから!

月下美人の中心からだんだん花が開いていく感じを出すため、花びらのカーブを3種類作りました。Rを変えるため瓶の他に球体シリコン型やガムテープの芯などを使用。

 

とりあえずパーツが出来たから次は組み立て。

花の中心部分だけは綺麗な形にしたかったので、直径50mmのドーム型に貼り付ける様に成形、そして花びらを固めていきます。花びら同士をくっ付けるのはもちろんソーリーレジン。

ソーリーレジンは薄いと柔軟性があるので案外作りやすいです。

 

固め終わってドームを外すとこんな。

 

ここから一枚ずつ花びらをくっ付けていきます。

花びら2段目。

 

この辺りでふと花が黄色い事に気付くのでした。

花びらを付けてはUV照射、付けてはUV照射…と繰り返していたからか黄変が目立つ…。(紫外線による劣化)

この後3段目の花びらを付けたところで黄変がかなり気になるレベルになってきたので、ここで完成と言う事にしました。本当はもう少し花びらを付けたかったのですが仕方ない。

 

完成直後に撮った動画。

他社メーカーのUVレジンで試してないから断言はできないけど、恐らくソーリーレジンでしか作れないと思います。もしくは作るのが難しい。

エポキシでも硬化のコントロールが相当しんどいと思う…(けどちょっと作ってみたい気はある。)

透明度(色)が残念な事になってしまったけど、それ以外はヨシ!って事にしよう。

ソーリーレジンは遅い硬化だったり薄い時の柔軟性だったり、ちょっと独創的な特徴もあるので、今までにない新しい使い方を開拓していくのも面白いと思います。

オマケ

そもそも何で月下美人?て話ですが…

ソーリーレジンの柔軟性が面白いな~と思っていた時に「花が作れないか?」って思い付いたのですね。エポキシで作っているバラみたいな感じに。コレ

ただ、丸い花びらより細長い花びらの花の方が多分作りやすい。

って事でバラ却下。

細長い花びらの花って何があるかな~?

って考えてた時に見た動画が…

ああ!月下美人って花びら細長くてちょうど良いじゃん!

って思い月下美人にしました(笑)

特に深い意味はないです。(「ロストエンファウンド」は好きな曲ですよ!)