あの日、わたしは公園でそのメールを受信した。
送付元を確認し、一旦閉じる。そして、帰宅後にLINE NEWSを開いて目にした文字。
『V6解散』
え?は?また文春かよー!なんて思いながら、記事を開き、今回は本当だということを知る。
あわててファンクラブからのメールを確認、本人たちからの動画メッセージをみた。
この時点でもまだ受け止められず、どこか他人事というか、遠い世界の話のようで。
しかし、彼らから普段と変わらない調子で語られたそれは、やはり真実であって、受け止めざるを得なかった。
あの日から10日が過ぎ、自分なりに咀嚼できたような気がするので、ここに書き残そうと思う。
昨年の同時期、突然の感染症により世界が一変。
子どもとともに家にこもり、先行きの不安を感じていた。
そんな時に公開された新曲、『It's my life』のリップシンクビデオ。
おそらく撮って出しに近い、急ぎで編集されたこのMVに、とても救われた。
“ありふれた毎日も悪くはないでしょ” “悩んでたってなにも変わらないから”
あー、V6ってやっぱりつらい時に寄り添ってくれるグループなんだよなー。ってうれしかった。
そして、初の配信ライブで披露された『Full circle』、彼ら自身の現状と軌跡の歌。
“正しい答えなんて一つじゃない みんなカラフルでいいんじゃない?
後悔はない結果オーライ 自分に生きるしかないstyle”
“離れ離れにならずに 奥底でつながってきた 6人の男たち”
こんなの、25周年記念ソングだと思うじゃん。この先改めて一緒にやってくよってメッセージだと思うじゃん。
でもこのときにはすでに終わりが決まっていて、そこにむかって走り始めていた。
何度もくりかえされる、 “I'm gonna be alright!” 、
後半に出てくる、 “うまくいくはずさ”
そうかー。そうかー。これはこれからそれぞれやっていく自分たちを鼓舞していたのかー。
同時期、avex trax公式You Tubeで、過去のコンサートやMV、特典映像などが公開された。
てっきり、自粛中暇な人を狙い撃ちした宣伝方法だと思っていたのだけれど、違ったのかもしれない。彼らの25年間第一線で活躍してきた姿を、より多くの人に知ってもらいたい!という思いもあったのか。
思えば25周年で雑誌やテレビのインタビューたくさん受けていたけど、“30周年”なんて言葉は誰からも出ていなかったんですよ。「いままでよく続いたよ。これは誇るべきことだ。」とは言っていたけれど。
昨年のデビュー記念日に配信されたコンサート。
何もない代々木第一体育館から始まり、過去のコンサートのセルフオマージュがところどころにちりばめられる。
それでいてドローンを飛ばしたり、フロアにLED敷き詰めたり、客席走り回ったり、録画した映像をはさんだり、配信でしかできないことにも挑戦した。そして、ラストは早戻しで、最初の何もない体育館に戻る。
これさ、集大成じゃん…
その後のファンクラブ限定で配信された、ファンからのサプライズ。
メンバーからも泣いている姿を見たことがないと言われている長野博が、目に涙を浮かべ、言葉を詰まらせた。
「えー?年とって涙もろくなっちゃった?」とか思ってたら、これ。そうかー。そうかー。
そして、当初ファンに向けて作られたと言っていた『クリア』。
“自分では見えないだけど君の瞳の中に映る輝きが鏡”
これ、まさかの、メンバーのこと歌ってたんですね?そうかー。
わたしたちはいま、昨年一年の彼らの答え合わせをしているのだなー。
何の先入観もなく25周年を迎えさせてくれて、いま、別れを惜しみつつ楽しむ時間を半年与えてくれたV6。
いつもファンのことを考えてくれてありがたい。
私がジャニーズ好きになって初めて結成されたグループ。
共に生きてきた感あるので、やはり寂しい。
しかし、彼らが「やり切った!次のステージに進みたい!」というのであれば、応援するしかない。
とりあえず今は、彼らが与えてくれる楽しい時間を取りこぼさないようにしたい。