サンタさんからの贈り物 | 温もりのメッセージ

温もりのメッセージ

人と動物との心の繋がりを大切に、主に犬猫の絵を通して、
彼らの心の純粋さ、愛情の深さを伝えていきたい

 

まだボクが小さい頃のこと・・・。


ボクは首に赤いリボンをつけて
あるお家に売られたんだ。
みんな、ボクを見て
「わぁ〜、かわいい!」って
嬉しそうにボクを抱きしめた。
それから、しばらくは幸せに暮らしたよ。

 

でも、だんだんみんなボクのことを
かまってくれなくなった。
そしてある日、ボクは捨てられた・・・。

それからはこの施設で、同じような
悲しい目をした仲間と暮らしてる。

もうすぐクリスマスだね。

そう、ボクはクリスマスプレゼントだったんだよ。
人間のサンタさんはボクをプレゼントにしたんだ。

サンタさんって本当にいるのかな?
もし本当にいるのなら、

ボクにもプレゼントくれるかな?

そんなことを考えていたある夜、
突然白くて長いお髭のおじいさんが、

ボクの前に現れた。

『お前かい?
わしにプレゼントが欲しいって

言っていたのは。』

ボクはその人がサンタさんだと確信した。

『お前の望む物をあげよう。
何が欲しいんだ。
お腹いっぱい食べらる美味しいご飯かい?
やわらかくて暖かい寝床かい?
オモチャかい?おやつかい?』

ボクは意を決してお願いした。

「ボクが欲しいのは人間の家族です。

ボクに新しい家族をください。」

サンタさんは驚いたような顔をして、こう言った。

『お前は一度人間に捨てらた。
人間はお前を裏切ったんだぞ。
それでも、また人間と暮らしたいと言うのか。』

「はい、確かにボクは人間に捨てられました。

でもこの施設でボクの世話をしてくれるのも人間、

ボクに優しく接してくれるのも人間なんです。
彼らがボクの傷ついた心を救ってくれた。
ボクはまた人間を信じたい。人間と一緒に生きたい、

幸せになりたいんです。」
 

サンタさんは一瞬難しい顔をして、


『そうか、わかった・・・。』

そうひとこと言うと消えてしまった。

そして今日はクリスマス。
ボクは今、新しい家族が待つ家に向かっている。
ボクの首には赤いリボンの代わりに

新品の素敵な首輪がつけられている。

サンタさん、ありがとう。
ボクは今度こそ幸せになります。

 

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師走に入り、世間はクリスマスムード一色になりました。
もしあなたがこの子だったら、どんなクリスマスプレゼント

が欲しいですか?
この子と同じ思いで待っている保護犬猫たちは、

全国にはたくさんいます。
新しく家族を迎えようと思っている方がおりましたら、

保護犬猫の里親になるという選択肢もぜひ、お考えください。