日々こなす私の業務の一部に在宅訪問による往診、看護もあります。
その中で、なかなか無い在宅での看取り看護。
先日、本人と本人の意思を尊重する家族さんの強い希望で、意識はクリアでも全身状態の悪いまま退院。
この時…すでに自分の最期を知っていたのかもしれません。
毎日毎日、全身状態の観察、バイタル、在宅酸素機器のチェック、点滴などの更新。
訪問する度に全身状態の悪化が著名である事と、家族さんの負担軽減のためを思い、本人さんへの入院を話してみましたが…
「入院はいらん。はっはっは~(笑)」
その一言で、すべてを受け入れた家族。
その決断に悔いのないように、私から家族へ、出来る限りの在宅で負担にならない介護のアドバイス。
沢山沢山沢山…。
退院してからの最期を迎えるまで、沢山…。
昨日も、いつもの様に身体に触れながら、賑やかに話しかけました。
「今日も私が来たよ~!」
って…。
だけど、昨日の昼間の訪問では…ずっと寝ていた。
それでも、いつもの様に賑やかに話しかけました。
この日のチェックなど、全ての処置を行いながら、ずっと話しかけ。
離れて奥さんは泣いていましたが、それが必要最大限の私に出来る事でした。
「ほらっ!! 目を開けてくれなかったら私の顔が見えないよ~! 」
…
「私の顔に会えないまま帰っちゃうよ~!」
…。
反応が出るまで何度も何度も問いかけ…
ようやく…眉間にシワを寄せて、昨日…初めて反応がありました。
頑張って、開けてくれた目を私と合わせ
「ありがとう。」
全身から絞り出された言葉に聞こえました。
そして。それが最期に私と交わした言葉。
家族さんには、全身状態から…
今日かも知れない…と伝えた夜でした。
自分の家で、最期を沢山の家族さんに看取られながら本人も安心したのかも知れません。
私は、患者さんと家族さんの温かい絆に触れた日々を送らせていただき感謝します。
在宅での看取りには、かなりの覚悟がない限り簡単ではありません。
その中で、私を頼りにしていただいたこと、看取りまでの一員にしていただいたこと。
私の方こそ
「ありがとうございました。」
と伝えたい言葉です。
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