ちょっと読んでみてください
私の名前は シム・ラ・ブーア
この研究室の責任者
私の仕事は遺伝子操作による生命の復元および生成
つまりは「クローン」を創っている
22世紀初頭に中近東の内紛をきっかけに
始まった第三次大戦
一部の愚かな人間のために世界は廃墟と化し
地上の生命は80%以上死滅してしまった
大戦から半世紀経った今もあらゆる汚染物質により
地上での生命活動は困難、いや不可能となり
地下深くに建設されたシェルター街だけが
唯一の生きる場となってしまった
私は先人から受け継いだ長年の研究の末
わずかな食物と水分摂取のみで生命を維持しうる
クローンの生成に成功した
今まさに目の前の培養液の中で新たな子孫とも
言える生命が形成されている
全身は黒光りし、2本の長い触角が伸び、、
その姿は数億年もの間、ほぼ変わることはなく、、
そう、私たちは あの愚かな人類が忌み嫌い
「ゴキブリ」と呼んでいた生命体だ