先日はこちらの有志メンバーで、
秋に向けて、炉の灰のお手入れをしました。
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にも書きましたが、


立夏を迎えて、
お茶のお稽古は炉から風炉へ変わりました。



昨年11月からお稽古で使ってきた炉の灰を上げて、
今年の秋にまた使う時のための準備をしておくのです。


20代の頃、
「茶人は家事の時に灰を持って逃げよ」
という言葉を知り、
えーっ!なんで灰を!?と衝撃を受けたことを覚えています。




灰を見れば、その人のお茶に対する心入れが判るとまでいわれるそうです。
(私はまだその域には程遠いのですが、、)



良い灰は買えるものではなく、かまどなどから取れる生灰(→現在は茶道具屋さんでも生灰は買えます)から、
炉や風炉で使える灰に作りあげるには、


長い年数をかけて、手入れを繰り返し、
まさに手間暇かけて、美しい灰へと育てていくのです。




去年はあやこさんとチビ子さん、風の強い中ありがとう!



先生からお譲りいただいた70年ものの灰。

生徒さんたちやチビ子さんと、
昨年から手入れを重ねています。



炉だんから、まずは
五徳(ごとく=釜を乗せるためのもの)を取り出します。


五徳は鉄でできているので、赤さびが出やすいため気をつけます。
使った五徳は、灰から抜いたらハケなどでよく灰を払って、
水洗い→熱湯をかけて、乾いた布で拭いて、よく乾かします。




炉の灰を、まずは目の粗いふるいにかけて、
炭の燃えかすや固まりを取り除きます。


灰用に、
いろんな目の大きさのふるいがあります。
(さらに細かいふるいは風炉用でまだいくつかあります。)



ちいさな燃えかすなども、
ひとつひとつ手で取り除きます。


炉だん、けっこう深いんですよ。
チビ子さん、一生懸命に底の方の灰をすくおうとしてますが、底まで手が届きません。笑



灰は大事なので、最後まで取り出します。
(チビ子さんのキッチンのおたまが意外にも活躍しました。笑)



目の粗いふるいから始めて、目の細かいふるい2種でもふるって、
今期使わなかった濡れ灰も合わせたら、


茶汁(古くなった番茶、抹茶、煎茶などを煮出したもの)をかけて染めます。





全体にむらがないように、
びっくりするくらい茶汁を入れていきます。


土壁くらいの固さが良いそうですが、
みんな土壁が分からなくて悩みました。。笑




このあと樽に移して、平らに均して、
炉開きの季節まで風通しの良い涼しい場所で保存して、自然乾燥させます。


秋には、
適度に乾燥して、引きしまった灰黄褐色の固まりになるはず。。


秋、炉開きの前に、
灰をこそげ、ふるいにかけて濡れ灰を作ります。

(また秋にレポートします!)







こちらは今お稽古で使っている風炉用の灰




炉の濡れ灰を乾燥させて、

さらに目の細かいふるい数種類でふるい、

それから乳鉢できめ細かくすったもの。


この風炉の灰も、
先生から譲り受けた70年もの。


先生や、お稽古に通った先輩方が
毎年大切にお手入れして下さったのだなぁ、とジーンとします。



炉の灰の手入れをしながら、

「この灰は、
70年間のお稽古のすべてを共に重ねてきたんだよね、、、」

と、みんなで灰を見つめていました。

灰まみれの後のお抹茶一服、はぁ〜〜と声が漏れるくらい、おいしかった〜!貴重なお休みにありがとうございます。お疲れさまでした!





縁あって私たちの元に来てくれて、
3年前から新しいお稽古場で、
今ここを、共に重ねてくれる灰。


なんだか灰も生きていて、
お手入れして、お稽古で使うことでまた呼吸をしているようにも感じます。




今年の風炉の季節も、
一回一回のお稽古、大好きな茶友たちと「今ここ」を共に味わい、愛でながら楽しみたいと思います。












⭐️『和のエレガンス』ホームページより、お稽古詳細ご覧いただけます。

6月から、お久しぶりにお稽古体験、お受けします。HPお問い合わせフォームより、ご連絡ください。(女性のみです)
素敵な出逢いを、お待ちしております。

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